実現しなかったスーパーカー 45選 後編 文字通り「夢」に終わった幻のコンセプト
公開 : 2023.03.26 18:25
ロータス・エスプリ(2010年)
2010年のパリ・モーターショーで行われたロータスのプレスカンファレンスでは、新型エスプリを含む5つのニューモデルがコンセプト形式で発表された。エスプリは、620psの5.0L V8エンジンと7速DSGを搭載するという野心的なもので、そのスケールの大きさだけでなく、製品としての完成度の高さも注目を集めた。
エスプリのショーデビュー後、開発は順調に進んでいると言われていたが、ロータスの資金繰りが悪化し、計画の総責任者であったCEOが退任した。2014年にプロジェクトはお蔵入りとなったが、よく似た気風を持つマクラーレンMP4-12Cに匹敵する、あるいはそれ以上のスペックを備えているように見えただけに、なおさら残念であった。
ランボルギーニ・アステリオン(2014年)
アステリオンは、従来のランボルギーニのスーパーカーよりややソフトではあったが、それでも手ごわい獣であることに変わりはなかった。カーボンファイバー製モノコックはアヴェンタドールに由来し、エンジンはウラカンの5.2L V10を搭載。これに3基の電気モーターによる支援を得たPHEVとなっている。
ランボルギーニはアステリオンを「テクノロジー・デモンストレーター」と説明し、2015年まで量産モデルとして真面目に検討されていたが、代わりにSUVのウルスに注力することになった。残念ではあるが、企業として正しい選択だったことはほぼ間違いない。アステリオンがいくら面白いクルマであっても、ウルスほどの人気を得たとはとても思えない。
アポロ・アロー(2016年)
スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスと、ローランド・グンペルト氏によって構想されたアローは、イタリアのMAT社によって製造される予定だった。サーキット走行専用のV12モデルと、最高出力1000psのアウディ製V8ツインターボを搭載したロードカーが用意された。
両モデルともカーボンファイバー製チューブを採用し、7速シーケンシャル・トランスミッションの搭載も計画されていた。0-100km/h加速2.9秒、最高速度360km/hを謳いながら2016年のジュネーブ・モーターショーに出展された後、計画は頓挫し、アポロ・アローは無に帰した。