ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッドで燃費チャレンジ! 800km走破でわかったEテックの真実とは?

公開 : 2023.03.27 05:45

伸びる燃費 WLTC超えは当たり前!

ルノーEテックは1.6L直4エンジンと駆動用モーター、そしてスタータージェネレーターを装備したハイブリッドである。

ややこしいのはギアボックスで、エンジン側に4速、モーター側に2速が備わり、ドグクラッチでパワー伝達をおこなうのだという。

ルノーEテックは、エンジン回転は均一に思えても、路面の勾配や負荷にあわせてギアやモーターが複雑に絡み合ってベストな状態を作り出してくれているようだと筆者。
ルノーEテックは、エンジン回転は均一に思えても、路面の勾配や負荷にあわせてギアやモーターが複雑に絡み合ってベストな状態を作り出してくれているようだと筆者。    山本佳吾

800kmの行程の半分以上を消化し、淡路島に渡ったあたりでわかってきたのは「やっぱりこのクルマ、わからない!」ということ。

エンジン回転はわりと均一に思えても、路面の勾配や負荷にあわせてギアやモーターが複雑に絡み合ってベストな状態を作り出してくれているらしい。

あとEV走行して燃費を稼いだのはいいが、その後で必ず発電用にエンジンが始動してしまうので、そうやって走らせることがいいのか悪いのか、その最適解がいよいよわからないのだ。

とはいえ救いなのは、われわれの数値が「たぶん」悪くないという点である。4.0L/100kmからはじまって3.4Lくらいまで順調に下がってきているのだ。

つまりこれは、ルーテシアEテックのWLTC燃費(総合)である25.2km(=約3.9L)を大幅に上回っていることになる。

「クルマはわからないけど、結果がすべてじゃない?」

勝ちを意識したわれわれは、夕日に向かってひたひたと走り続けた。

実はだれが運転しても……?

横浜市から愛媛県松山市にあるフランス風の洋館、萬翠荘までの全行程で休憩したのは2か所だけ。

雨に降られて視界が悪い時もあった。そして10時間以上も運転し続けていればそれなりに疲労もたまる。

長距離ドライブを通じてシートの作りやドライビングポジションといったクルマの基本的な部分の作り込みの高さがうかがえたと筆者。
長距離ドライブを通じてシートの作りやドライビングポジションといったクルマの基本的な部分の作り込みの高さがうかがえたと筆者。    山本佳吾

そんな過酷な挑戦を、終ったあとで振り返ってみると「やっぱりルーテシアすごいな」と素直に思えた。

燃費が公称数値より断然優秀というのはもちろんだが、それ以外の部分、例えばシートの作りやドライビングポジションといったクルマの基本的な部分の作り込みが、こういった長距離ではけっこうな差となって感じられるからである。

以前、ルーテシアEテック・フルハイブリッドを試乗した際、「久しぶりに小さな高級車に出会った」と感じたのだが、今回の旅でそれが確信に変わったといっていい。

また燃費に関しては、最後まで適切なスピードがわからなかったからこそいうのだけれど、たぶん誰がどう運転しても数値はそこまで大きく変わらないような気もしている。

それに燃費走行の上手い人だけが良い燃費を記録できるクルマはつまり、機械として優れているとはいえないのだから。

今回の結果は4月12日に発表されるので、パスポートを握りしめて天命を待ちたい。

ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッドのスペック

価格:339万円
全長:4075mm
全幅:1725mm
全高:1470mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):25.2km/L
車両重量:1310kg
エンジン形式:1597cc直列4気筒自然吸気+モーター
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
最高出力:91ps/5600rpm
最大トルク:14.7kg-m/3200rpm
最高出力(メインモーター):49ps/1677-6000rpm
最大トルク(メインモーター):20.9kg-m/200-1677rpm
最高出力(サブモーター):20ps/2865-10000rpm
最大トルク(サブモーター):5.1kg-m/200-2865rpm
ギアボックス:オートマティック
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名

ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド
ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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