レクサスRX 詳細データテスト 高級で快適 パワートレインは優秀 シャシーのスポーティさは不足 

公開 : 2023.04.02 20:25  更新 : 2023.04.04 02:06

新型レクサスRXの走りは、最上位の500h Fスポーツ仕様であっても歴代と同様に快適志向。ATを用いるパワートレインも、キックダウンしてしまうのが難点でした。走りよりも、快適性や高級感を重視して選ぶクルマです。

はじめに

レクサスのような自動車ブランドは、現在の多くの自動車のタイプの立ち上げに関わるほど長い歴史があるわけではない。しかし、高級SUVのRXに関していえば、先駆的な存在であると主張している。

初代レクサスRXがデビューした1998年当時、のちに高級SUVとして括られることになるようなクルマは、ラダーフレームのモデルしかなかった。P38A型レンジローバーやメルセデスMクラス、リンカーン・ナビゲーターあたりだ。

テスト車:レクサスRX500h Fスポーツ
テスト車:レクサスRX500h Fスポーツ    MAX EDLESTON

しかし、モノコックシャシーに前輪駆動と四輪駆動を選択できたRXは、乗用車的な構造の採用で、どれだけ質量が削減できるかを示した。また2005年には、このクラスにハイブリッドを持ち込んだ。これらは、このカテゴリーの近代化に大きな影響を与えた。

そして今、RXは5代目へと入り、先代まであったV6ガソリンは姿を消し、新しく効率的な4気筒が加わった。しかし、より興味深いのは、ふたつの完全新作バリエーションだ。

ひとつは待望のPHEVである450h+で、これはトヨタRAV4 PHEVなどのパワートレインをリファインして搭載している。しかし、これまでのレクサスになかったようなクルマという点では、今回の500hのほうが斬新だ。

ターボガソリンエンジンに組み合わせるトランスミッションは6速ATで、従来のCVT的なパワースプリッターではない。また、新しい電気式トルクベクタリングをリアに採用している。

RX500hはトヨタとレクサスを含めてもはじめての、効率よりパフォーマンスや魅力的なドライビングを優先したハイブリッドだといえる。ドライバーとクルマの一体感を追い求めたハイブリッド、という言い方もできる。その成果を確かめてみたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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