V12が生きていた ランボルギーニ・レヴエルト(Revuelto) アヴェンタドール後継はハイブリッドに

公開 : 2023.03.30 02:00  更新 : 2023.03.30 10:21

ランボルギーニ・レヴエルト(Revuelto)がアヴェンタドールの後継として登場。パワートレインやデザインを解説します。

レヴエルト(Revuelto)の概要

3月29日、ランボルギーニはイタリア・サンタガータボロネーゼの本社において、これまで「LB744」というコードネームで呼ばれていた次期型アヴェンタドールの全容を明らかにした。

新型車のモデル名は「Revuelto」。スペイン語で「かき混ぜた」「雑然とした」などの意味だが、「(天候が)荒れている」「(馬が)御しやすい」ことを示す形容詞としても使われるので、風雲急を告げる現代に、ある意味でぴったりの名前かもしれない。

ランボルギーニ・レヴエルト(Revuelto)
ランボルギーニ・レヴエルト(Revuelto)    ランボルギーニ

なお、日本での公式名はレヴエルトで決まったようだ。

そのレヴエルト、ボディ構造やパワートレインなどはすでに明らかになっているとおり。ちなみにボディはカーボンコンポジット製のバスタブを中心として、これを下側から受けるロッカーリング、さらにはルールやAピラー/Bピラーを上から組み合わせて基本構造としている。

エンジンは新開発の自然吸気V12エンジン。ギアボックスはランボルギーニV12モデルとしては初採用のデュアル・クラッチ・トランスミッション(ギアは8段)を横置きにして搭載し、コンパクトなレイアウトとZ軸モーメントの低減を図っている。

センタートンネル内に収められたバッテリーの容量は3.8kWhで、モーターフロントに2基、リアに1基の計3基を搭載。2基のフロントモーターは左右の前輪を個別に駆動するため、モーターを用いたトルクベクタリングも可能とされる。

また、レヴエルトはエンジンを掛けることなくモーターの力だけでも走行できる。そしてパワートレインと前輪はメカニカルには連結されていないものの、後輪はエンジン+モーター、前輪はモーターで駆動する4WDとしたのは、いかにもランボルギーニらしい。

さらに後輪も電子制御でステアさせる4WSを採用しており、まさに次世代のハイテク・スーパースポーツカーと呼ぶに相応しい内容となっている。

歴史を重んじ、新しくもある外観

今回、初公開されたエクステリアデザインも斬新だ。

全体的なプロポーションは、クンタッチ(カウンタック)から続くウェッジシェイプ基調のワンモーション・フォルムを継承したほか、ドアはAピラーの根本に固定されたヒンジを支点として上方に跳ね上げるシザー・タイプを採用するなど、ランボルギーニらしさは至るところで炸裂している。

ランボルギーニ・レヴエルトの全体的なプロポーションは、クンタッチ(カウンタック)から続くウェッジシェイプ基調のワンモーション・フォルムを継承したほか、現チーフデザイナーであるミティア・ボルケルトらしいセンスも随所に盛り込まれている。
ランボルギーニ・レヴエルトの全体的なプロポーションは、クンタッチ(カウンタック)から続くウェッジシェイプ基調のワンモーション・フォルムを継承したほか、現チーフデザイナーであるミティア・ボルケルトらしいセンスも随所に盛り込まれている。    ランボルギーニ

リアホイールアーチの上部がうっすらと斜めにカットされるように見えるデザインはマルチェロ・ガンディーニがクンタッチで採用した造形のオマージュであろうし、リアフェンダー手前の何度も折り曲げられたエアインテークは、アヴェンタドールで用いられたデザインの発展形といっていいだろう。

そのいっぽうで、現チーフデザイナーであるミティア・ボルケルトらしいセンスも随所に盛り込まれている。

なかでも、もっとも目立つのはヘッドライトと両サイドのエアインテーク部分を一体化したデザインで、これがフロントセクションの大きなアクセントとなっていることは一目瞭然。

しかも、この極めて存在感の強いデザイン要素を左右のできるだけ離れた位置にレイアウトすることで、ボディのワイド感を強調することにも成功している。

もう1つ、レヴエルトのデザインで特徴的なのが、高い位置に設けられたテールエンドだ。この結果、リアディフューザーがこれまでにない急角度で上昇。いかにも大きなダウンフォースを発生するように見える。このデザインは、ギアボックスを横置きにしたからこそできたものだろう。

さらにテールエンドには格納式のリアウイングを装着。その角度はドライビングモードやドライバーのマニュアル操作で可変できるという。

なお、ダウンフォースは対アヴェンタドール・ウルティメ比で、フロントが33%、リアが74%も増強されたようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。

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