韓国キアの大型SUV「EV9」 1回の充電で540km走行 個性と先進性アピール

公開 : 2023.03.29 18:25

リスクを取る個性的なデザインアプローチ

EV9のデザインは、BMW出身のカリム・ハビブ氏が指揮を執った。ハビブ氏が全面的にキア車のデザインを担当するのは今回が初めて。

シルエットは2021年公開のコンセプトモデルを踏襲しているが、23インチではなく21インチのホイール装着や、分厚いバッテリーパックの搭載によって、最低地上高はやや低くなっているようだ。鋭いエッジもいくらか和らげている。

キアEV9 GTライン
キアEV9 GTライン    キア

ハビブ氏は、今後のすべてのモデルに視覚的なリンクを持たせるが、「マトリョーシカ」のようなアプローチを追求することはないと説明している。

キアは、EV9のデザイン・アプローチを「相反するもの」と呼び、「洗練された彫刻的デザインと自信に満ちたジオメトリーのユニークな融合」によってそれを体現したと述べている。

しかし、クロスオーバーライクなEV6よりもはるかにSUVらしいデザインとなっている。ハビブ氏は「EV9はSUVであり、その類型を明確にしたかったのです」と説明し、ブラックのボディクラッディングや、くっきりとした2ボックスのシルエットを例に挙げた。

もっと型破りなシルエットにしなかったのはなぜかと尋ねると、ハビブ氏はこう答えた。「こういった正統派の、率直で箱型のSUVには、本当にいいものがあります。ランドローバーディフェンダーを見ると、新旧を問わず、何かとてもクールなものがあることがわかります」

ハビブ氏は、今後発売されるモデルにも、同じように個性的なキャラクターを持たせていくと語った。「わたし達はリスクテイカーでありたい。これは、何百万台も売らなければならないものをデザインする上での課題です」

「キアの製品は、わたし達自身にとっても、最初は少し未知で、少し違和感を感じるものであってほしい。それを乗り越えていくうちに、わたし達は製品によってより豊かに、より刺激を受けるようになると信じています。そして、そのプロセルはお客様にも感じていただけるものであってほしい」

キアは今後3年間で13台の新型EVを導入する予定であり、EV9はその序章に過ぎない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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