ロールス・ロイス・ゴースト・シリーズII
公開 : 2014.09.24 23:40 更新 : 2017.05.29 19:25
全般的な変更が ’極微量’ なのは、さして驚くことではない。と言うのも、ゴーストのベースはBMW7シリーズなのだから、あらゆる点でロールスにはロールスなりの束縛があるのだ。それに、モデル・チェンジされる度に、他の ’一般車’ のようにガラリと設計を変えてくると、ブランドの威厳を保つことも難しくなってくるのである。
とびきり長い全長をデザインで上手く隠しているだけでも、ロールスの場合は十分。内装はボタンの仕立てが変わったり、トリムの一部(例えばサンバイザーの鏡など)が小さく変わった程度。しかしこれくらいの少変更でも、決してロールス・オーナーは損をしたなどと思うことはない。
その他には、フロント・シートのサポートがやや向上し、リアのベンチの角度もわずかに見直された。そうすることによって、後席と前席の会話環境も向上したのだとロールス側は言う。座り心地は相も変わらず群を抜いて快適。リアの余裕もたっぷりと残されている。
メカニカルな変更点? ご想像に違わず、こちらもそう多くはありません。6.6ℓのビターボV12が引き続きフロントに載り、最高出力も571psのまま。先代同様に8速のオートマティック・ギアボックスが組み合わされる一方でソフトウェアのみ変更が加えられている。
またスタビリティはそのままに、キャビンへの騒音を低減させる目的で、リアのアクスル・ベアリングは別部品に取って代わった。1世代目のゴーストに乗った際、筆者が気になっていた部分が見事に改良されていたのは個人的にも嬉しい点。
乗り心地はフラットで、うねりのある路面でもコントロールしやすいと感じた。小さなバンプを踏み越えた際に、キャビンへの振動を完全に遮断しているわけではないけれど、ロールスの基準点は見事にクリアしている。