日産スカイラインGT-R 亡き父が30年所有 家族の思い出と共に奪われる 直前に怪しい外国人が買取希望
公開 : 2023.03.31 10:02 更新 : 2023.03.31 10:05
盗難される数日前に不審な外国人が訪問
話を伺っていると、驚くことがわかった。
盗まれる4日前に中東系とみられる外国人がAさん宅を訪れて「GT-Rを買い取りたい」と申し出ていたのである。
対応したお母様と外国人とのやり取りは以下。
「ピンポンとドアのチャイムが鳴ってインターホンのカメラを見たら、外国人風の男性が立っていました。インターホン越しに片言の日本語で話してきました」
外国人:ここにおいてあるクルマ売りませんか?100万円で買います。
母親:乗っているクルマなので売りませんよ。
外国人:本当に乗ってますか?
母親:乗っていますよ。
外国人:車検切れてるでしょう?
母親:切れていませんよ?
外国人:そうですか。
話を聞くとさらなる衝撃の事実がわかった。
「4〜5年前から、年に1〜2回は外国人が家に来て『GT-Rを売りませんか?』って、その日と同じ片言の日本語でたずねてきていました」
「最初のころは『50万円で買います』と言っていたのが、そのうち値上がりして『100万円で買います』と言われていました」
「でも、主人が大切にしていたクルマですし、家族で大事に乗り続けようと決めていたので売る気はありませんでした」
「いつだったか、チラシや名刺を置いていった外国人もいましたね。『売る気になったら連絡ください』といって。名前がアラビア語(?)のような文字で書かれていて読めなかったんですが。今回は何も置いていきませんでした」(Aさんのお母様)
その数日後、30年もの家族の大切な思い出をのせたGT-Rは、忽然と姿を消してしまった。
なぜバッテリーが外されていたのか?
盗まれる4日前に来た外国人はおそらく、クルマの下見というか、最終確認に来たと思われる。お母様の話では、「白い小さなクルマで1人で来ていました」とのこと。
Aさんによると、最後にGT-Rに乗ったのが2月末のことでほぼ1か月経過している。
バッテリーが外されて駐車場に残されていたということは、下見の時にバッテリーが上がっていることを確認し、盗みに来た時にはGT-Rに合うバッテリーに乗せ換えて移動したのだろう。
25日未明から26日にかけて前橋市はずっと雨が降っていた。それほど強い雨ではなかったようだが、音が聞こえにくくなるし、視界も悪くなるので目撃者からの確認もしづらくなる。
外して放置されていたバッテリーに関しても、確実に犯人が触れているわけだが、指紋は雨で消えてしまうため採取は不可能。実際に警察も「雨だから指紋は取れませんね」と言って取ろうともしなかったそうだ。
雨で指紋がとれないことは重々、犯人側はわかっていたのだろう。だからこそ無防備にまるで挑発するかのようにバッテリーを置いていったと推測される。
クルマを盗むのに何かと好都合な雨の日をわざわざ選んだ可能性もある。
ツイッターに投稿してから、Aさんのところには様々な情報が寄せられている。確実に盗まれたGT-Rとわかる目撃情報もあった。
ツイッターを見たという人からの連絡で群馬県桐生市内にある「桐生中央パーキング」に止まっていたことがわかっている。
すぐに前橋警察署に連絡をしたが、「見に行けたら見に行きます」という返事だったので、姉妹がすぐに見に行ったところ、すでにGT-Rはなかったという。
最後に改めてGT-Rの特徴を記しておきたい。
・初度登録は平成4年(1992年)
・ボディカラーは黒だがボンネット部分は塗装が荒れており、艶が消えたマットな状態になっている。
・ホイールはデズモンドワイズスポーツ製
・ホイールのセンターキャップにはジャガーの図柄あり
・サンバイザーが一部折れている
・シートに擦り切れている部分があり縫製のあとがある。
・ステアリングにテニスのグリップテープが巻いてある
最近では盗まれた旧車が解体されて各パーツとして国内外のオークションやフリマサイトに出品される例が相次いでいる。
盗まれたGT-Rに関わる情報があれば、前橋東警察署027-225-0110または、Aさん家族のツイッター@mamora04x、メールアドレス[email protected]にもご連絡を。