最も合理的で優れたステーションワゴン 10選 必要なものがすべて揃った1台

公開 : 2023.04.01 18:25

9. ジェネシスG70シューティングブレーク

プレミアムブランドの新参者であるジェネシスが、本気で欧州を攻めている証拠として、G70シューティングブレークを紹介したい。堂々としたSUVや最新鋭のEVが話題を呼ぶ中、G70シューティングブレークはグローバル向けというよりも、純粋に欧州での販売を目的にデザインされたモデルだ。

その名が示すように、泥臭いステーションワゴンというよりはライフスタイルを楽しむための小綺麗なクルマだが、ラゲッジ容量も465Lと決して粗末なものではなく、最大1535Lまで拡張することが可能だ。リアシートはやや窮屈だが、それ以外は広々としていて、装備も充実し、高級車のような雰囲気を漂わせている。

9. ジェネシスG70シューティングブレーク
9. ジェネシスG70シューティングブレーク

欧州ユーザーの好みに合わせて、サスペンションにも多くの工夫が凝らされ、その努力が実を結んだ。G70のセダンよりも足取りがしっかりしていてコントロールしやすいだけでなく、ステアリングは正確で、積極的にプッシュするとバランスよく弾けるように感じられる。しかし、その一方で、エンジンには難点がある。4気筒のディーゼルエンジンやガソリンエンジンは決して力強さに欠けるわけではないが、一部の競合車に見られる6気筒ユニットの文化的なサウンドとパワーデリバリーにはかなわない。それでも、個性的で異質な選択肢として、ジェネシスは一見の価値がある。

10. シトロエンC5 X

シトロエンは他社とは違う道を歩むブランドだが、C5 Xはその最も具体的な証拠と言えるだろう。クーペのスタイルとSUVのスタンス、そしてステーションワゴンの多用途性を併せ持つ華やかなフランス車で、実用性に対する独自の道を切り開いている。これはステーションワゴンだが、我々が知っているようなものとは少し異なる。

外見もから明らかなのは、快適性を最優先していることである。ただし、ダブルシェブロンの祖先と比べると、その完成度はそれほど高くはない。ソフトなサスペンションは不安定になることもあるが、基本的にはしなやかで気楽な足取りを実現し、シートのサポート性には目を見張るものがある。軽いステアリング、正確なハンドリング、安定したグリップにより、運転操作は苦にならないが、ボディの動きがかなり大きいので、気楽に運転したほうがいいだろう。

10. シトロエンC5 X
10. シトロエンC5 X

C5 Xは、その派手な外観とは裏腹に、広々とした見栄えの良いインテリアを備えている。トランクも大きく、リアシート使用時で540Lの容量を誇るが、PHEVでは485Lに減少する。PHEVの経済的なメリットはそれなりに大きいが、肩の力を抜いたシトロエンのグランドツアラー的な性格には、滑らかな1.2Lと1.6Lガソリンターボが適している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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