グリルにイルミネーション内蔵 BMW M850i xドライブ・カブリオレへ試乗 特別感が欲しい

公開 : 2023.04.08 08:25

クラシカルな趣を漂わせる、BMWのビッグ・カブリオレ。インテリアの特別感が欲しいと、英国編集部は評価します。

実務的で華が乏しいインテリアデザイン

さかのぼること2018年、BMWはそれまでの6シリーズを新しい8シリーズへ置き換えた。2ドアクーペとコンバーチブルだけでなく、エレガントな4ドア・クーペもリリースし、大きなラグジュアリー・モデルとしての訴求力向上を目指して。

果たして、ビッグ・スポーツカーとしての能力は高かった。同時に正直なところ、BMW 5シリーズの派生モデルのように感じられたことも嘘ではない。それまでの6シリーズと同様に。

BMW M850i xドライブ・カブリオレ(英国仕様)
BMW M850i xドライブ・カブリオレ(英国仕様)

今回、BMWは8シリーズへモデル中期のフェイスリフトを施している。満遍なくリフレッシュが図られているものの、従来の印象を払拭するまでには至っていないようだ。

最新版でも、筆者が8シリーズで課題だと考えているのがインテリア。用いられる素材や組み立て品質などに、非の打ち所はないといえる。しかし、レクサスLCやポルシェ911と比べると、デザインが少々地味に見えてしまう。実務的で華が乏しい。

デジタル技術満載の新しいメルセデス・ベンツSLクラスより、好ましいと感じる人はいるかもしれない。それでも、もう少し特別感を得ていた方が望ましいはず。レクサスLCを除いて、8シリーズの英国価格がライバルより低めに設定されているとしても。

光るキドニーグリル ディーゼルの840dは終了

インテリアへ大きな変更が加えられなかったことによる、メリットもある。インフォテインメント用モニターは、10.25インチから12.3インチへ拡大されつつ、iドライブシステムには実際に押せるショートカット・ボタンが残されたことだ。

その理由は、最新版の3シリーズやX5とは異なり、前バージョンのOSを引き継いでいるため。とはいえ充分に表示はモダンに見えるし、使い勝手は悪くない。エアコンにも独立した操作パネルが用意され、運転中の温度変更も難しくない。

BMW M850i xドライブ・カブリオレ(英国仕様)
BMW M850i xドライブ・カブリオレ(英国仕様)

ボディ回りでは、キドニーグリルのフィンにイルミネーションが追加されたが、想像するほど派手なわけではない。アルミホイールには、新しいデザインの選択肢が設定されている。英国仕様の場合、サイズはすべて20インチとなる。

ドアミラー・カバーは、上部にフィンが伸びたM850iと同じスタイルのものを獲得。ボディカラーには4色が追加されている。試乗車はその1つ、サンレモ・グリーンで仕上げられていた。

エンジンは、フェイスリフトでディーゼルターボの840dが廃盤になった。英国での選択肢は、後輪駆動で3.0L直列6気筒ターボを積む840iと、4.4L V型8気筒ツインターボのM850i xドライブ、そしてM8 コンペティションという設定に絞られている。

ボディスタイルは、2ドアのクーペと4ドアのグランクーペ、ソフトトップのカブリオレの3種類が選べる。今回試乗したのは、M850i xドライブのカブリオレとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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