快適な7人乗りファミリーカー 10選 広さ・楽しさ・機能性が詰まった家族の移動手段

公開 : 2023.04.08 18:05

4. フォルクスワーゲン・マルチバン

「伝統的な欧州産MPVはもう終わった」とお考えなら、フォルクスワーゲンを見てもう一度考え直してほしいと思う。新型マルチバンは、比類のない広さと多用途性を提供する車輪付きの箱というコンセプトを、現代に蘇らせたものだ。非常にフレキシブルなインテリアに、大人なドライビング・ダイナミクスとプレミアムな質感を加えたこのクルマは、家族の移動手段として非常に合理的である。

フォルクスワーゲンはこれまで、商用車ベースのカラベルなどを売り込んできたが、洗練性に欠けることも少なくなかった。しかし、今回のマルチバンは、ハッチバックからSUVまでを支える、今やおなじみの「MQBプラットフォーム」から生み出されたもので、驚くほど正確なステアリングと、従来では考えられなかったような心地よい乗り心地を実現している。MQBの採用により、1.4Lガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたPHEV(最高出力218ps、EV走行距離50km)を選べるようになった点も大きい。

4. フォルクスワーゲン・マルチバン
4. フォルクスワーゲン・マルチバン

しかし、真の主役はインテリアだ。そのスペースとモジュール性は、あらゆるニーズに簡単かつ効率的に適応させることができる。大人7人が長距離でも快適に座れるスペースがあり、リアシートはすべてスライド、リクライニング、折りたたみ、回転が可能だ。さらに、キャビン内を移動できる多目的収納コンパートメントや、軽食やドリンクに最適な折りたたみ式テーブルなど、すてきな機能も満載。狭い駐車場でも子供の乗り降りを楽にするスライドドアもある。

ほぼ唯一といってもいい弱点は、決して安くない価格設定にある。英国では、エントリーモデルで4万3000ポンド(約700万円)をわずかに下回る程度、上位モデルで6万ポンド(約980万円)を超えてしまう。

5. ランドローバーディフェンダー

ランドローバー最新の大型ニューモデルは、このランキングのトップ候補になり得た。なぜなら、高価ではあるが、巧みにインテリアにより、最大8人乗りを実現しているからだ。

標準的なディフェンダー110では、5人乗り、6人乗り、7人乗りから選ぶことができるが、ホイールベースを維持したままボディを拡げたディフェンダー130では2+3+3の構成で最大8人乗りが可能だ。英国では法律上の理由から、130で運転席と助手席の間にジャンプシートを入れることができない。その縛りがなければ、9人乗り(少なくとも英国ではミニバスとして登録する必要がある)も可能だろう。しかし、数年後にはジャンプシートを後付けした中古車が出てくるかもしれないが……。

5. ランドローバー・ディフェンダー
5. ランドローバー・ディフェンダー

いずれにせよ、素晴らしい多用途性を持っていることに変わりはない。ディフェンダー110の3列目シートはディスカバリーのそれよりも少し小さいが、それでも子供やティーンエイジャー、小柄な大人には使える。130の場合、8人全員を乗せても400Lのラゲッジを確保している。

5ドア乗用車(90を除く)の最も安いモデルでも5万ポンド(約820万円)を超える高価なクルマであるが、旧型ディフェンダーとは異なり、他の高級SUVとほぼ同等の走行性能、幅広い最新の電動化パワートレイン、そしてオフロード性能も十分に備えている。家族で使える大型車として、これ以上のものはないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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