フランス大統領御用達 DSオートモビル DS 7 Eテンス225へ試乗 コーナリングも意外に得意

公開 : 2023.04.12 08:25

実力は低くない ニッチを求めるユーザーへ

乗り心地では、四輪駆動の方が一枚上手。それでも、カメラ映像も利用したアダプティブダンパーには改善の余地がある。波長の長い揺れは巧みに吸収するものの、傷んだ舗装などの細かい入力は均しきれないようだった。

風切り音は、上級モデルとしては大きめ。回頭性を考えれば、シートはもう少し横方向のサポート性が欲しい。DS 7の能力を霞ませる要因になっている。

DSオートモビル DS 7 Eテンス225 パフォーマンス・ライン(英国仕様)
DSオートモビル DS 7 Eテンス225 パフォーマンス・ライン(英国仕様)

インテリアは、パフォーマンス・ラインを選ぶとアルカンターラが多用される。好みはわかれるかもしれない。三角形が多用されたディティールも、少々過剰な装飾に感じる人はいるだろう。フロントマスクのLEDデイライトと同様に。

ソフトなレザーがお好みなら、リヴォリやオペラ、ラプルミエールといったスポーティさと距離をおいたトリムグレードがいい。DSというブランドにマッチしており、高級感溢れる車内でくつろげる。

運転席からの視認性は良好。ダッシュボード中央のタッチモニターは、スマートフォンとの連携機能がスムーズ。車内空間を支配しない適度なモニター・サイズという点も、好ましい。

DSオートモビル独自のアイリス・インフォテインメント・システムは、反応が軽快でグラフィックスは美しい。快適性を引き立てている。

実力や品質は高いものの、本質的な豪華さや洗練性にまでは迫りきれていないといえる、DS 7。アウディQ3BMW X1といった主流とは別の、ニッチを求めるユーザーに向けたモデルのように感じられることは従来どおりだ。

DSオートモビル DS 7 Eテンス225 パフォーマンス・ライン(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8835ポンド(約786万円)
全長:4595mm
全幅:1895mm
全高:1631mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:63.0-88.5km/L
CO2排出量:26-36g/km
車両重量:1760kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.9kWh
最高出力:225ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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