自動車の限界に挑んだ最高のハイパーカー 10選 絶対的なパワーの芸術
公開 : 2023.04.09 18:05
2. ピニンファリーナ・バッティスタ
1900psの最高出力を誇るピニンファリーナ・バッティスタにとっては、カーボンを多用しながら2200kg近くなった車重も問題になることはないだろう。リマック・ネヴァーラと基本構造を共有するバッティスタは、内燃エンジンが廃止される未来を見据えた、新世代の高性能EVの先駆けである。0-100km/hは2秒以下、0-300km/h加速わずか12秒という加速は、試乗したマット・プライヤー記者が少年のように笑い声を上げたほどだ。
しかし、バッティスタでは、この爆発的なスピードと、ドライバーとの真の対話を融合させている。最大1222psを2基のリアモーター(フロントにはもう1基)で発生させるため、サーキットではスロットル調整が非常にしやすく、あらゆる角度からコーナーを抜けることができる。一般道では、ピニンファリーナのブランドである「GT」の名に恥じない、余裕あるパフォーマンスと500kmという航続距離、そしてアダプティブダンパーによるコントロールされた乗り心地を実現している。
カーボンファイバー製の構造により、サスペンションが発する「カタッ」という音や「ドスン」という音が多く、少々うるさいのが気になる。しかし、全体的に見れば、不思議なほど魅力的なデバイスであることがわかる。しかし、200万ポンド(約3億200万円)前後という価格からすると、むしろそうであるべきなのだろう。
3. ロータス・エヴァイヤ
ハイパフォーマンスカーというものが、これからどこへ向かおうとしているのか。今回2台のEVを取り上げたことからも、その風向きは明らかであろう。AUTOCAR英国編集部は、高回転で騒々しい、速くてドラマチックな内燃エンジン車を心から愛しているが、瞬間的に激しくトルクを発生させる電動車の魅力も否定できない。ロータス・エヴァイヤでは、その美点がはっきりと描かれている。
今のところ、マイク・ダフ記者が英ノーフォーク州ヘテルにあるロータスのテストコースで、量産前プロトタイプに乗っただけだが、ファースト・インプレッションは有望だった。EVであろうとなかろうと、このクルマの性能数値は偶然の産物ではない。70kWhのバッテリーと4基の電気モーターを搭載し、車重は約1700kg。ピーク時には約2000psを発揮し、ピレリPゼロ・トロフェオRタイヤを履くと、0-300km/h加速をわずか9秒で達成すると謳われている(ブガッティ・シロンより4秒以上速い)。
テストコースにおけるプロトタイプ試乗では、低速からの発進はあまり印象的ではなかったものの、3桁を超えるスピードでは容赦なく加速し、四輪駆動でありながらロータスらしいバランスと落ち着きを感じさせるハンドリングを実現していた。量産車に期待が持てる兆候である。