自動車の限界に挑んだ最高のハイパーカー 10選 絶対的なパワーの芸術

公開 : 2023.04.09 18:05

9. パガーニ・ウアイラ

パガーニは、かつてローマ司教の祝福を受けた革製のドライビング・アクセサリーを提供していたほど、希少でエキゾチックな自動車メーカーである。

その現行モデルは2012年に発表されたウアイラで、当時はロードカーでありながら最高出力730psと最大トルク102kg-mの後輪駆動車というのが耳目を集めたようだ。

9. パガーニ・ウアイラ
9. パガーニ・ウアイラ

メルセデスAMG製の6.0L V12ツインターボを搭載したウアイラは、昔ながらのドライバーズカーであり、ハンドリングには敬意を払い、スタビリティ支援を解除すればあらゆる集中力をすべて要求されるという、肉体的に厳しいクルマである。しかし、ドライバーとのコミュニケーション能力に優れ、誠実で、どのような速度で走っても酔いしれてしまうほど、豊かで没入感がある、特別なものだ。

万が一、標準車で十分な爽快感が得られず、路上での使用も考えていないのであれば、ウアイラRがある。重いツインターボを取り除き、850psの自然吸気6.0L V12を積んだウアイラRは、本格的なサーキット専用仕様だ。

10. ゼンヴォTSR-S

そのワイルドなルックスと1193psという驚異的なパワーで、ゼンヴォTSR-Sは真のハイパーカーと呼ぶにふさわしい素性を備えている。一方で、実にユニークな「傾斜リアウイング」が話題を呼んでいる。コーナリング時に左右どちらかが持ち上がり、空力によってボディロールを抑え、グリップを高める効果があるのだ。

ツインスーパーチャージャー付き5.8L V8を搭載し、0-200km/h加速を6.8秒(マクラーレン・セナと同程度)で駆け抜けるなど、デンマーク生まれのTSR-Sはかなり刺激的である。また、モータースポーツスタイルの7速シーケンシャル・トランスミッションを搭載し、ストレートカットギア(動力伝達のロスを減らすために歯を斜めではなく直線状にカットしたもの)を介して後輪を駆動するため、パワーロスの低減には有効だが、洗練性には劣る。

10. ゼンヴォTSR-S
10. ゼンヴォTSR-S

編集部はゼンヴォをサーキットで走らせたことがあり、その速さは折り紙付きだが、性能を最大限に引き出すには努力と慣れが必要で、ステアリングの動きが鈍いのが気になった。しかし、リアウィングの助けを借りて、大きなコーナリングスピードを生み出すことができ、グリップ限界でも驚くほどフレンドリーかつ親しみやすいフィーリングを得ることができる。その反面、非常に騒々しい運転体験でもあり、インテリアは美しく仕上げられているものの、長距離移動では深刻な腰痛に悩まされることになりそうな予感がする。

そして、100万ポンド(約1億6000万円)をはるかに超える価格も、ゼネラルモーターズのエンジンを搭載したほぼ無名のブランドとしては、かなり高額な部類に入る。しかし、毎年5台しか生産されないため、その希少性は確かであり、品質、性能、そして人目を引くスタイルはまさにハイパーカーそのものである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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