ノイズと乗り心地が惜しい マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブDへ英国試乗 操舵性は◎

公開 : 2023.04.15 08:25

低回転域でのノイズと乗り心地が惜しい

冷間時は荒々しいノイズを聞かせる6気筒ディーゼルながら、走り出せば4500rpmまで軽快に回転する点は好ましい。驚くほどパワフルでもあり、右足を操ることを楽しく感じさせてくれる。最高出力は253psがうたわれる。

トルクコンバーターではなく2枚の湿式クラッチを採用した8速オートマティックは、しっかり仕事をこなす。滑らかな走りをバックアップするように。

マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブD AWD(英国仕様)
マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブD AWD(英国仕様)

開発中だというガソリンエンジン仕様のCX-60なら、一層好印象なのかもしれない。だとしても、ディーゼルエンジンの低回転域でのマナーは残念でならない。

サスペンションは、コイルスプリングとアダプティブではない通常のダンパーという組み合わせ。BMWアウディの同クラスのSUVと乗り比べると、乗り心地は褒めにくいだろう。特に市街地などの条件では、穏やかさに欠けるようだ。

リアアクスル側の制御や精度も、ドイツのライバルには迫れていない。SUVには余り求められない部分だとはいえ、CX-60の能力を発揮させようとすれば、自ずと関わってくる。乗り心地や操縦性のバランスにも、改善の余地はあるといえる。

聴覚的な部分を補えないとしても、インテリアには上質な素材が多用され、居心地が良い。滑らかな道を静かに走る場面が多く、燃費が良いディーゼルターボのSUVをお探しなら、CX-60は検討する価値がある。見た目もハンサムだと思う。

マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブD AWD(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8835ポンド(約786万円)
全長:4745mm
全幅:1890mm
全高:1680mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:19.2km/L
CO2排出量:139g/km
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列6気筒3283ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:253ps/3750rpm
最大トルク:56.0kg-m/1500-2400rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事