贅の限りを尽くした史上最高のリムジン 18選 世界のセレブに愛された超高級車

公開 : 2023.04.08 18:25

運転の楽しさよりも後部座席の快適性や広さ、豪華さを追求したリムジン。自ら運転するのではなく、誰かに運転してもらうショーファーカーとして、世界中のVIPやセレブに愛された大型リムジンを紹介します。

後部座席から世界を動かす人のクルマ

リムジンにはさまざまな形があるが、サイズで言えばどれも大きい。ドライバーの満足度よりも、後席の快適性、広さ、豪華さが重視されるクルマだ。

既製品のリムジンというものは少ない。リムジンのルーツが馬車であることを考えれば、そのほとんどがコーチビルダーによるオーダーメイドであることも納得がいく。しかし、自動車メーカーのラインナップに並べられているものも少数ながら存在する。

国家主席やセレブに愛用される豪華リムジンを紹介する。
国家主席やセレブに愛用される豪華リムジンを紹介する。

今回は、そうしたリムジンの中から特に優れた18台をピックアップし、年代順に紹介したい。

キャデラック75(1936年)

1936年、キャデラックのフラッグシップとして誕生した「75(セブンティ・ファイブ)」。その長いボディは後席乗員のために使われ、折りたたみ式のリアシートで最大8名、フロントで3名まで乗れるようになっている。1959年モデルには、サイズに見合ったフィンとクロームメッキが施され、栄華を極めた。

1987年、フリートウッドの生産終了とともに、75の歴史に幕が下りた。しかし、排気量7.0L(425立方インチ)という巨大なV8エンジンがわずか4.1L(249立方インチ)にダウンサイズされたときから、その栄光は絵に描いた餅のようになっていた。

キャデラック75(1936年)
キャデラック75(1936年)

それ以来、キャデラックは店頭販売用のリムジンを製造していない。編集部は、すっきりとしたラインのハンサムな1960年代バージョンの75が1万750ドル(約140万円)から売られているのを見つけた。写真:1938年モデル

ロールス・ロイスファントムV(1959年)

これほどエレガントなプロポーションと、王室とのつながりが明らかなロールス・ロイス・ファントムVだが、一般人でも手に入れることができる。12万5000ポンド(約2000万円)以下で販売されているものはほとんどないが、今でも大事に乗り継がれていることがわかる。

ロールス・ロイスは、HJマリナー、ジェームズ・ヤング、パークウォードといったコーチビルダーから標準的なボディを提供したが、同じものは2つとない。いずれもクリーミーな6.23L V8エンジンを搭載し、4速ATと組み合わされている。

ロールス・ロイス・ファントムV(1959年)
ロールス・ロイス・ファントムV(1959年)

合計で516台のファントムVが生産され、そのうちの数台は英ロイヤルファミリーをはじめ、世界中の国家元首の手に渡った。しかし、ビートルズのジョン・レノンは、アーティストのスティーブ・ウィーバーによってサイケデリックカラー(写真)にペイントしてもらい、話題を集めた。レノンの車両にはダブルベッドが設置されていたが、他のほとんどのファントムVはフォーマルなベンチシートとチップアップ式の補助席を備え、最大6人の乗客を乗せることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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