贅の限りを尽くした史上最高のリムジン 18選 世界のセレブに愛された超高級車
公開 : 2023.04.08 18:25
運転の楽しさよりも後部座席の快適性や広さ、豪華さを追求したリムジン。自ら運転するのではなく、誰かに運転してもらうショーファーカーとして、世界中のVIPやセレブに愛された大型リムジンを紹介します。
もくじ
ー後部座席から世界を動かす人のクルマ
ーキャデラック75(1936年)
ーロールス・ロイス・ファントムV(1959年)
ーチェッカー・エアロバス(1962年)
ーメルセデス・ベンツ600プルマン(1963年)
ーデイムラーDS420(1968年)
ーZIL-4104(1973年)
ーメルセデス・ベンツV123(1976年)
ージマー(1978年)
ーリンカーン・タウンカー(1980年)
ーマイバッハ62(2002年)
ーベントレー・ステートリムジン(2002年)
ーハマーH2(2002年)
ーロールス・ロイス・ファントムEWB(2005年、2017年)
ーホンチーH7(2013年)
ーメルセデス・マイバッハSクラス・プルマン(2015年)
ーベントレー・ミュルザンヌ・グランドリムジン(2016年)
ーアウルス・ステートリムジン(2018年)
ー大統領専用車(2018年)
後部座席から世界を動かす人のクルマ
リムジンにはさまざまな形があるが、サイズで言えばどれも大きい。ドライバーの満足度よりも、後席の快適性、広さ、豪華さが重視されるクルマだ。
既製品のリムジンというものは少ない。リムジンのルーツが馬車であることを考えれば、そのほとんどがコーチビルダーによるオーダーメイドであることも納得がいく。しかし、自動車メーカーのラインナップに並べられているものも少数ながら存在する。
今回は、そうしたリムジンの中から特に優れた18台をピックアップし、年代順に紹介したい。
キャデラック75(1936年)
1936年、キャデラックのフラッグシップとして誕生した「75(セブンティ・ファイブ)」。その長いボディは後席乗員のために使われ、折りたたみ式のリアシートで最大8名、フロントで3名まで乗れるようになっている。1959年モデルには、サイズに見合ったフィンとクロームメッキが施され、栄華を極めた。
1987年、フリートウッドの生産終了とともに、75の歴史に幕が下りた。しかし、排気量7.0L(425立方インチ)という巨大なV8エンジンがわずか4.1L(249立方インチ)にダウンサイズされたときから、その栄光は絵に描いた餅のようになっていた。
それ以来、キャデラックは店頭販売用のリムジンを製造していない。編集部は、すっきりとしたラインのハンサムな1960年代バージョンの75が1万750ドル(約140万円)から売られているのを見つけた。写真:1938年モデル
ロールス・ロイス・ファントムV(1959年)
これほどエレガントなプロポーションと、王室とのつながりが明らかなロールス・ロイス・ファントムVだが、一般人でも手に入れることができる。12万5000ポンド(約2000万円)以下で販売されているものはほとんどないが、今でも大事に乗り継がれていることがわかる。
ロールス・ロイスは、HJマリナー、ジェームズ・ヤング、パークウォードといったコーチビルダーから標準的なボディを提供したが、同じものは2つとない。いずれもクリーミーな6.23L V8エンジンを搭載し、4速ATと組み合わされている。
合計で516台のファントムVが生産され、そのうちの数台は英ロイヤルファミリーをはじめ、世界中の国家元首の手に渡った。しかし、ビートルズのジョン・レノンは、アーティストのスティーブ・ウィーバーによってサイケデリックカラー(写真)にペイントしてもらい、話題を集めた。レノンの車両にはダブルベッドが設置されていたが、他のほとんどのファントムVはフォーマルなベンチシートとチップアップ式の補助席を備え、最大6人の乗客を乗せることができる。