贅の限りを尽くした史上最高のリムジン 18選 世界のセレブに愛された超高級車

公開 : 2023.04.08 18:25

チェッカー・エアロバス(1962年)

一般的なリムジンが豪華さと快適さを最優先するのに対し、チェッカー・エアロバスはできるだけ多くの乗客と荷物を乗せることに重点を置いていた。その理由は、車名の通り空港と都心の間を移動するために使われるからである。そこでチェッカー・モーターズは、象徴的なイエローキャブ(タクシー)のロングバージョンを開発し、6ドアまたは8ドア、ロングホイールベースモデルでは15席もの座席を備えて運行を開始した。

セダンとステーションワゴンが用意されたが、荷物の積載量が多い後者の方が人気があった。5.2L~5.7LのV8エンジンを搭載するが、スピードはあまり重視されていない。現在、チェッカー・エアロバスはクラシックカーとして人気があり、価格は2万ドル(約260万円)からとなっている。ただし、全長236インチ(5982mm)のため、駐車する場所が必要である。

チェッカー・エアロバス(1962年)
チェッカー・エアロバス(1962年)

メルセデス・ベンツ600プルマン(1963年)

1963年当時、ロールス・ロイス ファントムVの威厳に唯一対抗できたのはメルセデス・ベンツ600であった。「壮大な」という意味の「グロッサー」の愛称で親しまれ、標準ボディでも全長5450mmと、ほとんどの他車を圧倒していた。600プルマンを選べば、全長は6240mmに伸び、後部に2人分の座席を追加することができる。乗り降りを楽にしたい場合は、6ドアを選択することも可能だった。

487台のプルマンを含む2677台が生産され、そのすべてに評判の高い6.3L V8エンジン「M100」が搭載された。フューエルインジェクションを使用して最高出力250psを発揮し、最高速度200km/hに達する。また、ブレーキや窓、ドアロックなど、数多くの油圧システムにもエネルギーを供給する役割があった。

メルセデス・ベンツ600プルマン(1963年)
メルセデス・ベンツ600プルマン(1963年)

現在では、標準的な600で10万ポンド(約1600万円)から、プルマンでは少なくともその2倍はする。しかし、後者を購入すると、友人・知人から重度の誇大妄想に陥っていると思われる危険性が高い。

デイムラーDS420(1968年)

24年という長きにわたって生産されたデイムラーDS420(ドイツのダイムラーとは異なる)は、メーカー純正リムジンの中で最も長く販売されたモデルと言える。また、全長5740mm(226インチ)という最長クラスのボディを誇り、その長さを生かした室内では、折り畳み式の中央シートを装着すると最大7席を確保することができた。また、セダンに加え、純正のランドーレット(コンバーチブル)仕様も用意されていた。4.2Lの6気筒エンジンを搭載し、英国の要人から愛された。

このエンジンによって驚くほど優れたパフォーマンスを発揮したが、1992年にラインナップから退いた時には、設計が旧式化していた。しかし、クイーンマザー(エリザベス皇太后)には好まれたようで、現在もロイヤルミューズに保管されている。ウェディングカーのような格好を気にしないのであれば、3000ポンド(約48万円)から誰でも威厳ある移動手段を楽しむことができる。

デイムラーDS420(1968年)
デイムラーDS420(1968年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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