贅の限りを尽くした史上最高のリムジン 18選 世界のセレブに愛された超高級車

公開 : 2023.04.08 18:25

リンカーン・タウンカー(1980年)

リンカーン・タウンカーは、キャデラックBMWメルセデス・ベンツなどのロングホイールベース・セダンに対するフォードの回答である。タウンカーという車名自体は1950年代から存在するが、1980年に発売されたこのリムジンは、後部座席でくつろぎたい人たちのためのクルマである。操縦性よりも快適性を優先し、米国では長年にわたってお抱え運転手の主力として活躍し、結婚式でも花形となった。

米国車らしくエンジンはV8で、初期のモデルには4.9LのウィンザーV8が採用され、後の第3世代モデルでは4.6Lに変更されている。いずれにせよ、走りはゆったりとしたものだが、米国ではわずか1000ドル(約13万円)から購入できる純正リムジンの性格にはぴったりである。

リンカーン・タウンカー(1980年)
リンカーン・タウンカー(1980年)

マイバッハ62(2002年)

マイバッハの名は1909年以来、高級車の代名詞であり、1960年からはメルセデス・ベンツ・ファミリーの一員となっている。2002年に登場したマイバッハ62は、ラグジュアリーなクルーザーという雰囲気を醸し出している。全長6165mm、後部座席はあえて2席のみに限定された。個人タクシーのためのクルマというより、スーパーリッチな人たちのためのクルマだった。

マイバッハ62は、5.5L V12ツインターボ(最高出力605ps)のおかげで、0-100km/h加速を5.2秒で駆け抜けることができるなど、「タイム・イズ・マネー」のパフォーマンスを持つ。それでも売れ行き不振で、ショートホイールベース版の57も登場したが、世界的な不況の中で状況を好転させることはできなかった。

マイバッハ62(2002年)
マイバッハ62(2002年)

約3000台が販売され、2012年に生産が停止された。今日、このマイバッハを捜すとしたら、5万ポンド(約800万円)から購入することができる。

ベントレー・ステートリムジン(2002年)

贈り物として、ベントレー・ステートリムジンは最高の1台と言えるだろう。2002年、エリザベス2世のゴールデンジュビリーのために、ベントレーをはじめとする英国自動車業界が製作したもので、以来、この2台は英国王室で定期的に使用されているそうだ。礼儀として一度だけ使って、あとはクローゼットにしまっておくような贈り物ではない。

ユニークなデザインを持つステートリムジンは、ベントレー・アルナージのプラットフォームをベースに、830mm延長されている。ボディはマリナー部門による特注品で、女王が堂々と乗り降りできるよう、ベース車よりも高いルーフラインを採用し、リアドアも同じ理由で直角にヒンジが付けられている。また、大急ぎで宮廷の帰れるよう、アルナージRから移植された最高出力400psの6.75L V8ツインターボを搭載し、最高時速は210km/hに達する。動物好きな女王に配慮して、シートは革製ではなく布製だ。この車両は現在、チャールズ3世に受け継がれている。

ベントレー・ステートリムジン(2002年)
ベントレー・ステートリムジン(2002年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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