贅の限りを尽くした史上最高のリムジン 18選 世界のセレブに愛された超高級車

公開 : 2023.04.08 18:25

ベントレーミュルザンヌ・グランドリムジン(2016年)

グランドリムジンには、標準のミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベースから1000mm延長されて全長6575mmとなったボディなど、多くの魅力がある。これは、ベントレー純正のリムジンとしては史上最長クラスのもので、2組の後部座席が向かい合うようにするためだ。ウッドパネルのピクニックテーブルや革張りのハンドステッチなど、伝統的なラグジュアリーにこだわっている。

一方で、運転席と後部の間にあるガラス製パーティションには、現代的な技術も盛り込まれている。ボタン1つでスモークをはるエレクトロクロミックガラスとなっており、後席のプライバシーを確保することができる。ベントレーは性能を公表していないが、標準のミュルザンヌEWBと同じ最高出力512psの6.75L V8ツインターボを使用する。価格を気にする人には買えないだろう。

ベントレー・ミュルザンヌ・グランドリムジン(2016年)
ベントレー・ミュルザンヌ・グランドリムジン(2016年)

ウルス・ステートリムジン(2018年)

ソビエト時代のリムジンは、西側諸国のリムジンと比べて少し不格好に見えるかもしれないが、最新のアウルス(オーラス)はそんなことはないだろう。このステートリムジンは「プロジェクト・コルテージ」の名で開発され、車重6000kg、全長7.0mの金属と複合装甲の塊であると同時に、最先端の移動通信司令センターでもある。また、考えうる限りの贅沢品を装備しており、非常に洗練されている。

デザインも構造もすべてロシア製であるにもかかわらず、搭載する4.4L V8ツインターボはポルシェ製だ。約600pspを発揮し、他のアウルス・リムジンには、800psのV12の搭載も計画されているそうだ。

アウルス・ステートリムジン(2018年)
アウルス・ステートリムジン(2018年)

大統領専用車(2018年)

トランプ元大統領は前任者とあまり仲良しではなかったようだが、オバマ政権が2013年に1600万ドル(約2100億円)をかけて発注し、2018年に納車された2台の大統領専用車(Presidential State Car)には驚いたに違いない。「ザ・ビースト」と呼ばれる巨体の重量は9072kgと、並みの自動車ではない。

キャデラックらしい外観とエンブレムを身に着けているが、GMCのトラック用シャシーをベースに改造され、分厚い装甲と自衛装備による重量に対応している。装備の中には、自動消火装置、酸素供給装置、ランフラットタイヤ、防弾・防爆ガラスなどがある。2018年9月、ニューヨークで初めて姿を現した。

大統領専用車(2018年)
大統領専用車(2018年)

その大きさと重さにもかかわらず、キャデラックに与えられた課題の1つは、機動力の確保であった。これには、テロリストによる待ち伏せや道路封鎖といったシチュエーションから大統領を脱出させる場合に、高速でUターンを行えるようにする、という要求も含まれる。

2台のビーストは常に同時に使用され、ナンバープレートも同一であるため、どちらに大統領が乗っているかわからない。また、大統領がヘリコプターで移動する際にも、襲撃者を撹乱するためにこの作戦がよく使われる。現在、大統領専用車は引退後も、その秘密が明かされないよう破壊されることになっているため、中古車を探すことはできない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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