覚悟と注意が不可欠 マセラティ 3200GT 英国版中古車ガイド 当時のベスト・トライデント
公開 : 2023.04.17 08:25
直近の20年間で最高のマセラティだった
3200GTの生産期間は短く、4年後の2002年に4200GTへバトンタッチした。全体のスタイリングに大きな変化はなかったが、テールライトが一般的な扇型へ変更されている。
AUTOCARでは3200GTを高く評価していた。当時は、直近の20年間で最高のマセラティだとすら称えていた。しかし、これから購入をお考えになる場合は、それなりの覚悟と注意が必要になる。整備は安く済まないし、燃費は5km/L程度に留まる。
マセラティ・ファンなら、モデル後期に限定生産されたアセットコルサ仕様が望ましい。15mm車高が落ちるサスペンションと、専用のホイールが組まれていた。ステアリングレシオもクイックになり、赤いブレーキ・キャリパーが違いを控えめに主張する。
新車時代のAUTOCARの評価は
これほど上質なインテリアを備えるクルマは、他に例がない。柔らかなコノリー・レザーが惜しみなく用いられ、トレードマークのアナログ時計も上品に見える。車内空間も、ジャガーXK8より広い。
0-97km/h加速時間は6.2秒と驚くほどではないものの、実際はそれ以上に速く感じられる。アクセルペダルを軽く傾けるだけで、勢いよくスピードを高めていく。(2000年12月13日)
オーナーの意見を聞いてみる
ケビン・デイク氏
「2002年に4.2L V8エンジンを搭載したスパイダーを購入し、15年間所有していました。田舎に住んでいたこともあり常に汚れていて、手入れは充分とはいえませんでしたが、よく走るクルマでしたよ」
「必要に応じて整備に出して、走行距離はできるだけ伸ばさないようにしていました。それでも、部品代や整備費用は高かったですね」
「エンジン・サウンドやパワー、操縦性を気に入っていました。現在は友人が所有していますが、関係が悪くなるほどの故障はありません。調子良く走っているようです」
知っておくべきこと
クランクシャフトやクラッチ、スロットル・ポジションセンサーなどの重要な部品は、既に生産が終了している。入手困難な場合もある。
過去の整備記録は非常に重要。すべて揃っていなくても、領収書も含めて、可能な限りこれまでの履歴が確かめられる車両を選びたい。
イタルデザインの手によってホイールベースが220mm縮められた、オープンボディのスパイダーが2001年に追加されている。電動油圧式ソフトトップを備えた2シーターだ。
このスパイダーには、395psを発揮するフェラーリ由来の4.2L V8エンジンが搭載されている。後継モデルの、4200GTと同様に。