準備着々のパサート級EV フォルクスワーゲンID.7 試作車へ試乗 航続最長700km 前編

公開 : 2023.04.16 08:25

新モーターで286ps 航続距離は最長700km

パワートレインはID.4などと同様に、リアへ1基搭載されるシングルモーター版と、前後に2基が積まれるツインモーター版が用意される予定。ただし、ID.7には新開発ユニットが採用される。

この新しいAC同期モーターは、現在のID.4の後輪駆動版が搭載するものより遥かにパワフルで、最高出力286psと最大トルク55.4kg-mを実現している。ローターやコイル、水冷ユニットの改良などで達成したそうだ。

フォルクスワーゲンID.7 プロトタイプ
フォルクスワーゲンID.7 プロトタイプ

英国仕様として最初に導入されるのは、シングルモーターの後輪駆動版。プロとプロSという、2つのグレードが設定される。ちなみに、追って他のID.シリーズでも新ユニットへ置換される計画だという。

ID.7では、シングルスピードのオートマティックや、駆動用バッテリーの直流を駆動用モーターの交流へ変換する、インバーターのソフトウエアなども改良された。より高いエネルギー効率を求めて。

駆動用バッテリーの実容量は、プロで77kWh、プロSで85kWh。基本的には、ID.バズが搭載するニッケル・コバルト・マンガン (NMC) を用いた三元系リチウムイオンと同一。12個のモジュールが、大きなフロアに薄く敷き詰められている。

正式な航続距離は公表されていないものの、同社は77kWhで最長614kmになると想定する。大きい85kWh版では、700kmに届くという。

テスラモデル3の航続距離は、53kWh版で490km、78kWh版で601kmがうたわれる。ヒョンデ・アイオニック6は、53kWh版で429km、77kWh版で614kmとなっている。ID.7の実力は高そうだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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