毎日お洒落に使いこなせるコンパクトEV 10選 日常に溶け込む粒ぞろいの欧州モデル
公開 : 2023.04.15 18:05
3. フィアット500
フィアット500のモデルレンジは、従来のエンジン車が500ハイブリッドとして存続しているため、ちょっとややこしいところがある。EVの500は、見慣れたクルマに見えるかもしれないが、エンジン車と並べてみるとまったく新しいクルマであることに気付くだろう。
500のレトロでキュートなルックスをそのままに、現代のクルマとして見事に仕上げている。当初から純粋なEVとして開発されたため、車格にしてはかなり大きな42kWhバッテリーを搭載し、WLTPサイクルの航続距離は320kmを謳う(実際の使用では、225km程度になることがわかった)。24kWhの小型バッテリーを搭載した、より安価な仕様もあるが、航続距離の短さを相殺できるほど経済的なメリットにはならないと思う。
最高出力118psのモーターを搭載しているため、コンパクトカーとしては驚くほど軽快で楽しい走りを見せる。ステアリングはかなり軽いが、グリップは十分にあり、ボディロールも少なく、高速道路を走るには不向きだが、とにかくよく走る。
インテリアもまた、これまでの500から大きく進化している。プラスチッキーなところは否めないが、見た目は美しく、シートは快適で、インフォテインメント・システムも合理的で応答性が高い。ロールバック式のキャンバスルーフを備えたコンバーチブル仕様もある。しかし、背の高いドライバーには不向きで、大人を後部座席に乗せることをあまり考えてはいけないのは言うまでもない。
価格は2万ポンド(約320万円)強からだが、できればもう2~3000ポンドを足して大容量バッテリーを搭載したモデルにすることをお勧めしたい。いずれにせよ、ファッショナブルで、楽しくて、徹底的に使えるEVとして大きな価値がある、
4. ヴォグゾール・コルサe
ヴォグゾール・コルサeは、スタイルやWLTP航続距離(357km)、想像力豊かに構成されたインテリアにおいて、兄弟車であるプジョーe-208に遠く及ばない。しかし、だからといって、試乗する価値がないとは思わないでほしい。プジョーより少し地味かもしれないが、少なくとも編集部の目には十分ハンサムに映る。
実走行で290kmという日常的に使える航続距離、100kWのDC急速充電に標準対応していること、鋭く有能なハンドリング、快適な乗り心地を兼ね備えたドライビング・エクスペリエンスは、大きなセールスポイントになるはずだ。また、ヴォグゾールは家庭用充電器の無料設置や家庭用電気料金の特別プランなどの購入特典も用意している。
英国における大規模なディーラーネットワークと、適切な割引を提供しようとするブランドの姿勢が、コルサeを英国で最も売れているEVの1つに押し上げている。これまでEVの購入を考えていなかった人たちの意識も少しずつ変えている。