毎日お洒落に使いこなせるコンパクトEV 10選 日常に溶け込む粒ぞろいの欧州モデル

公開 : 2023.04.15 18:05

8. ルノー・ゾエ

ルノー・ゾエは、決してエキサイティングなEVではないが、現行モデルは初期型と比較して大きく進化している。52kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で385kmをカバーする。実走行距離は305km近くと、他車と比べても遜色ない(むしろ良好)。もはや特筆すべきものではないが、最大50kWでの充電に対応しており、AC充電器しか使えなかった初期型とは比べるべくもない。

最近行われた改良で、新モデル「テクノ」と「アイコニック」が導入され、前者の価格は2万9995ポンド(約490万円)からとなった。この金額で、強さと豊富な標準装備が手に入るのだから、ライバルに対して十分なコストパフォーマンスを発揮する。もう少し高価なアイコニックモデルには、運転支援システムやステアリングヒーターなどの贅沢な装備が追加されるが、性能、航続距離、ドライビングダイナミクスという点では、この2つのモデルに差はないだろう。

8. ルノー・ゾエ
8. ルノー・ゾエ

走りはおおむね快適で、街中では非常に軽快、かつかなり静かで、乗り心地も良いと感じた。しかし、高速走行時にはやや不安定になり、操作系に鉛のような鈍感さもある。インテリアとインフォテインメント・システムは、初期型から大幅に改良されている。

しかし、欧州の衝突安全試験機関ユーロNCAPが2021年末に実施した衝突テストの結果は、なんと「0つ星」であった。特にオフセットの前面衝突と側面衝突の保護性能が不足していると指摘され、最低評価となった。一時期、ゾエは欧州の黎明期のEV市場をリードしていた。しかし今、ルノーはゾエの後継車として、待望の新型5を準備している。

9. MG 5

MG 5が一般的な意味で「コンパクトカー」に当てはまるかどうか、議論の余地があることは認めよう。確かにボディサイズはハッチバックほど小さくはない。しかし、3万995ポンド(約510万円)からという価格設定は一部のコンパクトEVを下回るものであり、航続距離もまた多くのライバルを謙虚にさせるものだ。さらに最近の改良によって、これまでの古臭いイメージを払拭しているのだ。

MG 5は小柄なステーションワゴンで、実用性、価格、ランニングコストを重視し、EVへの入り口としては無駄のないものとなっている。また、洗練されたインフォテインメント・システム、クライメートコントロール、アダプティブ・クルーズコントロールなど、装備も充実。リフレッシュされた外観は、前述のMG 4にも近く、シャープなノーズ処理によって上級車らしさを演出している。初期のモデルはブラウン管テレビのように “最先端” だったため、こうした改良は歓迎すべきことだ。インテリアも一新され、クオリティの高さではまだまだだが、見た目はモダンで機能性も十分にある。

9. MG 5
9. MG 5

細いタイヤとソフトなサスペンションで、特にエキサイティングな走りをするわけでもなく、コーナーを全力で攻めるよりも、気楽な足取りのドライブに向いている。とはいえ、試乗してみると、車体の動きは適度にコントロールされ、ESCが邪魔にならない程度に制御し、156psの電気モーターが爽快な加速を見せることがわかった。

実用面でも美点が多い。インテリアは広々としており、リアシートをフラットに畳むと、最大1456Lのラゲッジを確保できる。さらに、航続距離は400kmで、87kWの充電により、40分強で10~80%まで補充することができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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