今までミニを社用車にする事など考えなかった企業も5ドアとなれば多少なりとも食指が動くに違いない。CO2排出量を100g以下までに抑えたミニ・ワンD、クーパーDともに有力な候補になるだろう。

素のままの車両価格は£17,050(304万円)。テスト車両はフロントシート・ヒーター、衛星ナビゲーション、左右独立式オート・エアコン、標準の16インチの代わりに17インチ・アロイ・ホイールなどが追加されることによってトータルで£22,210(395万円)にまで膨れ上がっていた。

■どんな感じ?

シンプルに述べるとすれば、大きくなったスペース以外は3ドアのクーパーDとそっくりそのまま、といったところ。

動力性能やハンドリングなどの細部に至るまで、今年初旬にテストした3ドア・モデルとほとんど同じだ。116psを発揮する3気筒ディーゼルは驚くほどトルキーで、どの回転域も快活な吹け上がりをする。0-100km/hタイムは9.4秒、最高速度は203km/hと言うのがミニの公表値だ。

操舵にも生き生きと答えてくれる反面、現行ミニのすべてがそうであるように、サスペンションの硬さまで ’お揃い’ 。しかし幸運なことに、ホイールベースが延長されたおかげで路面の凹凸のいなしは5ドアの方が明らかにマイルドだ。

高速域での身のこなしの素早さは、選択可能なドライブ・モードの助けもあって、ミニの例に漏れずキビキビとしている。ノーマルとグリーン・モードの違いは僅かだけれど、スポーツ・モード時のステアリングはそう注意せずともシャープ。スロットル・レスポンスも同じように鋭敏になる。

追加された後方のドアが小さいため、慣れるまでに少し時間が掛かるかもしれないけれど、リア・シート足元の余裕はかなりのもの。真ん中のシートこそ子どもくらいしか使いようがないが、全般的な広さもまた高級感を与える重要な要素となっている。