離島で生き延びるクラシック フォード・カプリ MGBロードスター フィアット500ほか 前編

公開 : 2023.04.23 07:05

フィアット・ヌォーヴァ500(1957年)

オーナー:ジョオ・フェルディナンド・フェレイラ氏

フィアットとルノーのディーラーで主任メカニックを務めていた、ジョオの1番の楽しみが、クリーム色のフィアット・ヌォーヴァ500で地元のカフェを訪れること。1979年に購入したそうだ。

フィアット・ヌォーヴァ500(1957年)と、ジョオ・フェルディナンド・フェレイラ氏
フィアット・ヌォーヴァ500(1957年)と、ジョオ・フェルディナンド・フェレイラ氏

特徴といえるのがオープンルーフ。1957年から1960年式まで、限定的に作られている。「それ以降は、ハードトップの500 Dへバトンタッチしています」

ヌォーヴァ500は速くないと彼は認めるが、ソフトトップをロールバックした姿を気に入っている。険しい山道でも、懸命に走る様子が夢中にさせるという。「部品はポルトガル本土から輸入しています。島でも維持に問題はありません」

オースチンA55 ケンブリッジ(1960年)

オーナー:アイレス・アンドラーデ氏

マデイラ島に存在する2台のオースチンA55 ケンブリッジの、1台を所有しているのがアイレス。オリジナルのボディカラーはブラックだったが、1998年に購入し、レッドとホワイトのツートーンへ塗り替えた。

オースチンA55 ケンブリッジ(1960年)と、アイレス・アンドラーデ氏
オースチンA55 ケンブリッジ(1960年)と、アイレス・アンドラーデ氏

現在はファミリーカーとして、家族と一緒に島内のドライブを楽しんでいる。妻も子供も、A55 ケンブリッジが気に入っているという。「今でも島では人気者のクルマです。前オーナーも、懐かしんで買い戻したいと連絡してきます」

「乗り心地はすごく快適。今までずっと違うクルマに乗ってきたので、すっかり白髪になってしまいました」。と冗談交じりに話すアイレスは、A55 ケンブリッジの滑らかな走りを評価している。

島内の320kmを走るラリーイベントにもこのクルマで参加し、優勝したらしい。「コースの各ステージを、指定された時間内に指定の平均速度で走る必要がありました。優勝した瞬間は、誇らしい気持ちでいっぱいでしたね」

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    リチャード・ウェバー

    Richard Webber

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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