物議を醸したクルマの最終評価 40選 前編 「名車」か「迷車」、結局どっち?
公開 : 2023.04.16 18:05
BMCミニ
美点:見事にパッケージングされ、ラバーコーンなど革新的なサスペンションを備えたミニは、シンプルで経済的な日常の足として、また競技用車として親しまれた。そして、後のトヨタ・プリウスやキャデラック・エスカレードと同じようにセレブリティの間でも人気を博した。
難点:販売面で大成功を収めたにもかかわらず、少なくとも発売初期にはメーカーの採算が合わなかったと考えられている。41年にわたって生産されたが、2000年に生産終了した時点で、少なくとも20年は時代遅れになっていた。
最終評価:名車
キャデラック・アランテ
美点:アランテは、ピニンファリーナがデザインしたスマートな外観の高級2シーター・ロードスターである。7年の生産期間中に何度か改良を受けたが、1993年に4.6L V8エンジン「ノーススター」が搭載されたのが最も大きな変更点である。
難点:アランテは、「世界一長い組み立てライン」とも言われる工場で生産されていた。ボディはイタリア・トリノのピニンファリーナで作られた後、大西洋を越えてデトロイトに運ばれ、そこで最終組み立てが行われたのだ。この非常に高価な生産工程もあって、1987年当時のベース価格は5万4700ドルだった。いくら見た目がよくても、それだけの価値があると思った人はほとんどいなかったようだ。
最終評価:迷車
シボレー・カマロ(アイアンデューク・エンジン搭載車)
美点:3代目カマロは、1982年から10年間生産されたアグレッシブなスポーツカーである。V6エンジンや、パワフルな大排気量V8エンジンを搭載したZ28(写真)などは、おおむね好評を博した。しかし、その一方で、カマロの名に影を落とす、酷評されたエンジンがあった。
難点:それはアイアンデューク(Iron Duke)と呼ばれるエンジンで、1982年から1986年までカマロのエントリーモデルに設定されていた。ゼネラルモーターズ傘下のポンティアックが設計した2.5Lの4気筒エンジンで、最もパワフルな仕様でも100psには届かず、正直なところ、カマロのようなクルマに搭載される筋合いはない。
最終評価:迷車
シボレー・コルベア
美点:コルベアは、他の大衆向け米国車とは異なり、空冷フラット6エンジンをリアに搭載しており、その点ではポルシェ911に非常に似ている。この大胆なレイアウトに加え、1960年代の小型欧州車にも影響を与えたスタイリングを誇る。また、後述する問題にもかかわらず、累計180万台が販売されている。
難点:初代コルベアのスイングアクスル式リアサスペンションは、リアヘビーな重量配分と相性が悪い。社会運動家ラルフ・ネーダー氏が1965年に出版した『Unsafe at Any Speed(どんなスピードでも自動車は危険だ)』の中で、このクルマを酷評した。後に行われたNHTSA(運輸省道路交通安全局)の調査では、ネーダー氏が言うほど悪くはなかったという結論に達している。いずれにせよ、この本が出版される頃には、すでにリアサスペンションが全く異なる第2世代のコルベアが発売されていた。しかし、コルベアは不当にも「安全でない米国車の申し子」とされてしまい、売り上げはとなった。
最終評価:預かり
画像 賛否両論、意見の分かれるクルマたち【シグネットやミニ、デロリアン、フィアット・ムルティプラなどを写真で見る】 全95枚