物議を醸したクルマの最終評価 40選 前編 「名車」か「迷車」、結局どっち?

公開 : 2023.04.16 18:05

フィアット・ムルティプラ

美点:ムルティプラは、コンパクトMPVの中でも最も想像力に富み、同時に物議を醸した車種の1つである。「多様」「複数」を意味するイタリア語の車名の通り6人乗りだが、シートは3列×2列の配置である。この種のクルマとしては、走りもなかなかよかった。

難点:1998年から販売されたムルティプラは、他車と見間違えることはない独特の外観を持つ。これを気に入る人もいたが、過半数の人は気に入らなかったようだ。フィアットは多数派の意見に応え、2004年にデザインを劇的にトーンダウンさせたが、それは残念な判断だったのかもしれない。

フィアット・ムルティプラ
フィアット・ムルティプラ

最終評価:迷車

フォード・エスコートMk5(1990年~1992年)

美点:フォード・エスコートは、1990年代の英国のベストセラー車である。フィエスタが一時的に途絶えた後、5代目エスコートがそのポジションを引き継ぎ、1992年から1994年にかけて販売チャートをリードしていた。

難点:実はフォードは、エスコートで多くの失敗をしでかしていた。確かに人気はあったものの、退屈な外観、刺激的でない動力性能、老朽化したエンジンで批判されたのだ。1992年後半、サスペンションの改良、新しいゼテックエンジン、装備の充実化、競争力のある価格設定など幅広く手が加えられたが、編集部の評価は発売当初のままである。

フォード・エスコートMk5(1990年~1992年)
フォード・エスコートMk5(1990年~1992年)

最終評価:迷車

フォード・マスタングV8(1980年)

美点:マスタングという名称は、1964年以来絶えず使われ続けてきた伝説的なネームプレートである。さまざまなエンジンが用意されてきたが、このクルマに最も似合うのはV8だ。1980年代初頭、マスタングに搭載された唯一のエンジンは255型で、長い歴史を誇るウィンザー・ファミリーの4.2Lである。何が問題なのか?

難点:255型の問題点は、燃費目標を達成するために実力を削がれたことだ。結果、120psしか出なくなってしまい、スポーツモデル用のV8としては明らかに不十分である。フォードはこのV8をラインナップから外し、よりパワフルな4.9Lのウィンザーを再導入した。

フォード・マスタングV8(1980年)
フォード・マスタングV8(1980年)

最終評価:迷車

フォード・ピント

美点:フィエスタが登場するまで、ピントは1970年代に北米で販売された最も小さなフォード車だった。1974年には全米チャートで1位を獲得するなど絶大な人気を誇ったが、やがて売れ行きは急激に悪化する。それでも、1978年から1980年までの最後の3年間では、年間18万台以上を生産することができた。

難点:ピントは人気絶頂の頃、追突事故で炎上しやすいということで物議を醸した。長年にわたって論争が続いたが、その評判は取り返しのつかないほど低下してしまった。

フォード・ピント
フォード・ピント

最終評価:迷車

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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