4WDの発展に貢献 レンジローバー スバル・レオーネ アウディ・クワトロほか 四輪駆動の傑作25選 中編
公開 : 2023.04.29 07:06
1970年:ランドローバー・レンジローバー
ジープ・ワゴニアへ続くように、ランドローバーはラグジュアリーな四輪駆動モデルの開発へ着手。有能なレンジローバーが誕生する。オンロードでの秀でた快適性と、オフロードでの抜群の走破性を融合させ、高級SUVの代表としての地位を確立した。
初代ランドローバー、ディフェンダーを選択肢に加えてこなかった、都市部のユーザーにも訴求する内容だった。垢抜けたスタイリングは、市街地にもよく馴染んだ。
とはいえ初代レンジローバーは、リジットアクスルにセパレートシャシー構造を備え、内容は本格派。コイルスプリングのサスペンションと、ローバー製のV8エンジンが、上質な走りを叶えていた。
1972年:スバル・レオーネ
スバル1600として英国でも親しまれた初代レオーネの四輪駆動版は、1972年に登場。英国仕様ではレオーネのエステートバンは四輪駆動が標準で、1977年から販売されている。
舗装路での走りが安定していただけでなく、悪路や滑りやすい路面では驚異的な順応性を披露。グレートブリテン島でも、農家や郊外のドライバーから多くの支持を集めることになった。
レオーネは、スバルのモデルラインナップの礎になっただけでなく、他メーカーも含めて、四輪駆動ファミリーカーの元祖だともいえる。同じプラットフォームをベースにしたピックアップトラック、ブラッドも存在し、クラシックカーとして人気は上昇中だ。
1979年:AMCイーグル
スバル・レオーネのコンセプトに影響を受けたのが、北米のAMC。ステーションワゴンとサルーン、2ドアクーペとコンバーチブルがラインナップされていたイーグルに、四輪駆動を設定した。
北米基準ではコンパクトカーに該当したイーグルは、センターデフとビスカス・カップリングによる四輪駆動システムを採用。前後のアクスルへ、必要なトルクを伝達することを可能にしていた。
エンジンは2.5Lか4.2Lという構成で、フロント・サスペンションは北米の四輪駆動モデルとしては初となる独立懸架式。その結果、運転しやすく快適な全天候型ファミリーカーに仕上がっていた。
1980年:アウディUrクワトロ
オンロード・モデルに、四輪駆動システムを採用したアウディ。スバルから数年遅れての登場ではあったが、今ではブランドイメージを牽引する技術へ進化している。四輪駆動を示すクワトロは、同社を象徴する単語といってもいい。
その先陣となったクーペ、Urクワトロは、今でも魅力的なクーペだと思う。ラリー界にも革命的なインパクトを与えた。世界ラリー選手権で優勝台へ登るには、四輪駆動が不可欠になったほど。
200psを発揮したパワフルな5気筒ターボエンジンも、Urクワトロの成功を導いた。後期型では20バルブ化されパワーアップし、220psを発揮。センセーショナルなほど高速な四輪駆動のスポーツカーだった。