ロータリーの圧縮比は要確認 マツダRX-8 英国版中古車ガイド 観音開きのサイドドア
公開 : 2023.04.22 08:25
新車時代のAUTOCARの評価は
RX-8のようなモデルの場合、好印象な側面が多いにも関わらず、そうではない部分に目がゆきがち。加えて、RX-8には相反するような印象も混在してもいる。それでも魅力的なモデルだ。
パワートレインは優れているが、本来のパフォーマンスを引き出しにくい。スポーツカーながら、シャシーは低い速度域を好む。よく作り込まれたインテリアだが、ドライバーは少々居心地が悪い。
いくつかの妥協も求められる。しかし本当のクルマ好きには、訴求力の高いオーナー体験を与えてくれるはず。(2003年9月16日)
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ピストンリングに相当する、ローターのシール部分が弱点。致命的な故障につながるため、圧縮比の確認は忘れずに。定期的なメンテナンスで、不具合は防げる。
英国の場合、RX-8のエンジンの半数は8万km未満でオーバーホールか交換が必要になった、というレポートもある。しかし、メンテナンスを怠らなければ16万km以上耐えるようだ。エンジンオイルの補充は1600km毎に必要だという。
外気が寒くても暑くても、2秒以内に始動するのが正常。試乗ではアクセルペダルを丁寧に傾け、パワーが落ち込むフラットスポットや、異音や振動が発生しないか確認したい。
低回転域で油圧が落ちると、エンジンのハウジング部分に取り付けられているステーショナリーギアの摩耗が進行し、リビルドが必要になる。内部にカーボンが蓄積しやすく、短時間の走行を繰り返すことも好ましくない。
電気系統
シートヒーターは、サイドボルスター部分のみが暖かく感じられる。ラジエタークーラントのレベルセンサーは故障しがちで、メーターパネルの警告灯を灯す。点火コイルが交換されていない場合は、予防的に新調しておきたい。
サスペンション
アンチロールバーのリンケージがへたると、凹凸を越えた時にコツコツと異音が出る。交換はさほど難しくない。
リアのサスペンション・スプリングは、腐食し折れることがある。不自然に車高が落ちていないか確かめたい。フロントのロアアームは、英国ではリコールが出されている。
ステアリング
ステアリングホイールを切った時にコツコツという感触が伴う場合は、ユニバーサルジョイントの劣化。パワーステアリングのアシスト量が安定しない場合は、センサーの異常かも。ラジエターホースから漏れたクーラントがかかり、不調を招くことがある。
ブレーキ
長期間放置されていた場合などは、ブレーキキャリパーが固着しがち。ディスクのサビも確かめたい。ブレーキの交換はそこまで高くないため、予防的にリフレッシュしたい。
ボディ
初期のRX-8は錆びやすい。2006年式以降で、コンディションの良い例を探した方がベター。外からは見えない部分や、ホイールアーチの裏側などの状態も確かめたい。荷室のフロアやサブフレームも錆びやすい。