物議を醸したクルマの最終評価 40選 後編 「名車」か「迷車」、結局どっち?

公開 : 2023.04.16 18:25

ポンティアック・アズテック

美点:アズテックは、広くて実用的なミドルサイズ・クロスオーバーであり、現在の米国の道路で日常的に見られる「ソフトローダー」の先駆けであったと言える。求められるものに対し、しっかりと応えた。問題なし。見るべきものは何もない。さあ、次へ。

難点:いやぁ、でもやっぱり見てほしい。フィアット・ムルティプラは奇妙なデザインだったが、アズテックはもう「ギョッ」とするような形だ。中身は同じでも、見た目がいくぶんかマシなビュイック・ランデブーに打ちのめされたのは偶然ではないだろう。また、自動車ブランドの衰退を1つのモデルのせいにするのは難しいが、ポンティアックはアズテックが登場するまで74年間存続した歴史ある銘柄だ。しかし、アズテックの生産終了後はわずか3年間しか存続しなかった。

ポンティアック・アズテック
ポンティアック・アズテック

最終評価:迷車

ポンティアック・フィエロ

美点:フィエロは、80年代のポンティアックが製造したクルマとしては珍しく刺激的なタイプだった。スペースフレームシャシーとプラスチック製のボディパネルを備えた2シーターのミドエンジン車である。エンジンは2.5Lのアイアンデュークを搭載していたが、2年目には2.8L V6が追加された。

難点:魅力的なスポーツカーに見えたが、低予算での開発、速さとハンドリングの欠如、輸入スポーツカーとの競争の激化、エンジンブローの直後に発火する傾向(初期)などの弊害があった。当初は好調だった販売もやがて落ち込み、わずか5年で幕を閉じた。

ポンティアック・フィエロ
ポンティアック・フィエロ

最終評価:迷車

リライアント・ロビン

美点:リライアントは三輪車の設計とグラスファイバー製ボディの製造に非常に秀でていた。ロビンは、これらの専門分野が融合した最も有名な例であろう。決してエキサイティングなクルマではなかったが、安価で経済的、かつ実用的だった。初代が1973年から1981年まで、2代目が1989年から2001年まで、2世代にわたって生産された。

難点:ロビンのようにフロントに一輪、リアに二輪のクルマは、逆配置のものに比べて安定性に欠ける。ロビンが横転する映像を見たことがある人は多いと思うが、このような事故は実際にはみんなが思っているよりずっと少ないのである。

リライアント・ロビン
リライアント・ロビン

最終評価:名車

ルノー・アヴァンタイム

美点:アヴァンタイムほど、20世紀末のルノーの大胆なデザイン哲学を象徴するクルマは他にない。高級車、クーペ、MPVを組み合わせたもので、当時販売されていたどの乗用車ともまったく異なる外観を持つ。製造したのはマトラだ。

難点:2001年に発売されたアヴァンタイムは大きな話題を呼んだが、その後2年間で実際に購入した人は9000人に満たなかった。あまりの売れ行きの悪さに、マトラはもう自動車ビジネスはこりごりだと考え、他の事業に乗り換えた。ルノーは、この特異なクルマの生産を独自に続けることも可能だったが、そこまでの手間をかける価値がないと判断した。

ルノー・アヴァンタイム
ルノー・アヴァンタイム

最終評価:迷車

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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