大ヒットしたのに「消えた」クルマ 40選 前編 1970年代、80年代の名車は何台残るのか
公開 : 2023.04.22 18:05
1970年代から1990年代にかけて大ヒットした乗用車の多くは、今やほとんど姿を消しています。クラシックカー文化の根付く英国でも、その現存数は確実に減りつつあり、高価なスーパーカーより希少となっています。
もくじ
ースーパーカーより希少 かつての名車の現存数は
ーオースチン・アレグロ:269台が現存(英国)
ーオースチン・マキシ:119台
ーオースチン/MGメトロ:395台
ーオースチン/MG/ローバー・モンテゴ:111台
ークライスラー/ヒルマン/タルボ・アベンジャー:335台
ーシトロエンAX:354台
ーシトロエンBX:251台
ーシトロエンGS/GSA:84台
ーダットサン/日産ブルーバード:244台
ーダットサン/日産100A/チェリー:51台
ーフィアット126:233台
ーフィアット・ウーノ:172台
ーフォード・コルチナ:4673台
ーフォード・オリオン:320台
ーフォード・プローブ:275台
ーフォード・シエラ/サファイア:2465台
ーFSO:32台
ーヒョンデ・ポニー:10台
ーキア・プライド:35台
スーパーカーより希少 かつての名車の現存数は
英国のDVLA(運転免許庁)の統計によると、現在英国で走行可能な状態にあるマクラーレン720Sは約600台だ。ランボルギーニ・ウルスは800台。フェラーリF430の派生は1000台近くある。つまり、英国では1970年代、80年代、90年代の大衆車よりも、これらの「エキゾチックカー(スーパーカー)」を目にする機会が多いのだ。
そこで今回は、数多く販売された人気車種でありながら、今やほとんど見かけることのなくなった希少なクルマを取り上げたい。クラシックカーが文化として根付き、古いクルマを大事に扱うイメージのある英国でも、かつての名車は確実に数を減らしつつある。
現存するクラシックカーやレトロカーに関するDVLAの統計データは、時として信頼性に欠けることがある。本稿で記載する現存数は、あくまで英国で課税対象となる車両を数えた値であるため、大まかな目安として見てほしい。英国では長期間使用しない車両をSORNとして申請できるので、関連する場合はそちらも参照する。
オースチン・アレグロ:269台が現存(英国)
オースチン・アレグロのような悪名高いクルマでさえ、生存率は低い。この数字には、威厳のあるグリルを備えた豪華なバンデンプラ版も含まれている。しかし、SORNに登録されているアレグロも多数あるので、完全に消えてしまうわけではないだろう。
オースチン・マキシ:119台
オースチン・マキシは、英国自動車産業の失敗の象徴のようなクルマである。後輪駆動の古臭いセダンが主流だった時代に、現代的で広々とした前輪駆動のハッチバックとして登場し、世界を席巻するはずだった。しかし、ブリティッシュ・レイランドの製造品質がそれを阻んだ。
オースチン/MGメトロ:395台
オースチン・メトロは、「世界に誇れる英国車」という約束のもと、そのPRに応えるに十分な性能を備えていた。見事な広告キャンペーンにより、英国民は愛国心の波に押し流され、ダイアナ元妃との関係も害を与えることはなかった。1991年に改良型のローバー・メトロが登場するまで、約150万台が生産された。
オースチン/MG/ローバー・モンテゴ:111台
モンテゴ単体では、良いクルマだった。しかし、競合他社がもっと優れたライバル車を製造していたため、「史上最も速いMG」と謳われたモンテゴ・ターボでさえ、末期の衰退を防ぐことはできなかった。1994年に生産終了している。