フォード・マスタングGT

公開 : 2014.09.27 23:30  更新 : 2017.05.29 18:54

■どんなクルマ?

約半世紀に渡りソフト・トップとハード・トップが作られてきた ’ポニー・カー’。メカニカル・レイアウトやスタイリングなど、独自路線を突き進んできたこのクルマは、今回テストする最新モデルもまた、確と伝統を継承している。

しかし、歴史を遡ればこの50年のあいだで実に6世代分のデザインが施された事になるのだけれど(中にはイイのもそうでないのもあった)、どうやら今回のモデルだけは少し毛色が異なるようなのだ。

その主たる要素が、今までのマスタングはアメリカにしか的を絞らずに制作されてきたのだが、今回のモデルからはターゲットを全世界に広げたこと。

なにももっともっと沢山の映画で使われたいなどという軟派な理由だけではなく、世界各地の組織を一体化することによる開発と生産効率のアップ、全世界に通用するモデル開発の加速、バランス・シート改善による企業価値の向上などを目的とした、元CEOアラン・ムラリーが提唱した ’ワン・フォード’ 戦略がこのクルマも骨の髄まで息づいているから。要するに全世界を代表するモデルを制作することを明確に見込んで生まれたクルマなのだ。

したがってアメリカ以外にも、ここ英国や中国の史上も意識していることになる。

■どんな感じ?

ホイールベースこそ先代と変わっていないけれど、全高は低く、全幅は大きくなっている。その一方で構造技術大躍進の恩恵を受けたモダン・スポーツカーと比べると、全スチール製ボディを採用している点はやや古風な印象は否めない。また数の増えたエアバッグ、進化したインフォテイメント・システム、大きな電制装置のおかげで車重は先代より増している。

英国内には426ps/6500rpmと55.3kg-m/4250rpmを発生する5.0ℓ V8と、310ps/5500rpmと44.2kg-m/3000rpmを発生する2.3ℓ 4気筒エコブーストを組み合わせたモデルが輸入される予定。後者は言うまでもなくCO2排出量が抑えられているため、(それが許されるならば)社用車として購入しても税金が安く済む。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事