空気抵抗を追求したリアウインドウ・レス ポールスター4発表 544psのBEV SUV
公開 : 2023.04.18 15:30
スウェーデンのポールスターから、4番目のモデルとなる4が登場。空気抵抗を追求したリアガラスのないボディが特徴といえます。
リアウインドウがない独自のデザイン
中国企業が傘下におくスウェーデン・ブランドのポールスターから、4番目のモデルとなる「4」が登場した。プレミアム・クロスオーバー・セグメントで、増加するライバルとしのぎを削る事になる。
フォルムはクーペ風SUVとなるが、見た目で最大の特徴といえるのが、リアウインドウがないこと。先日発表された3と並んで、ポールスター独自のデザインが与えられている。先行していた1と2は、ボルボとの関係性が色濃かった。
4はバッテリーEV(BEV)で、シングルモーターとツインモーターが選べる。英国価格は、5万ポンド(約805万円)から6万5000ポンド(約1046万円)の間になると予想される。BMWやジェネシスなどの、同クラスの上級BEV SUVと対峙する設定だ。
ポールスターのデザイン部門を取りまとめるマクシミリアン・ミッソーニ氏によれば、航続距離を最大限に伸ばすことを意識して、4はスタイリングされたという。特に、ルーフの高さや構造材の位置に、他のモデルでは見られない工夫が施されている。
空気抵抗のCd値は0.269 カメラ映像で補完
ルーフ面を低くすると滑らかなボディラインを描けるが、構造材が頭上空間を制限してしまう。一方で高くすれば車内空間を稼げるものの、空気抵抗が増え、走行性能やエネルギー効率に影響を与えてしまう。
全長が5mを切る4では、ルーフ面の位置を下げつつ、リアシートの頭上後方へレールと呼ばれる構造材を移動。通常はリアウインドウが設けられる場所に位置しており、結果として4にはリアのガラスがない。
そのかわり、ルーフ部分に取り付けられたカメラ映像で後方視界は確保される。空気抵抗を示すCd値は、0.269に抑えられた。ちなみに、テスラ・モデルSは長く滑らかなシルエットを活かし、0.208に留めている。
ポールスターのCEOを務めるトーマス・インゲンラス氏は、ボルボのデザイン部門を率いていた過去を持ち、これまでのスタイリングにも影響を与えてきた。保守的な自動車メーカーなら、4のリア周りの処理に対する顧客の反応を慎重にうかがうだろうと話す。
「事前に反応を確かめているようでは、デザインのリーダーにはなれません」。と、冗談交じりにコメントしている。
ファッション・アイテムに影響を受けた車内
4に搭載される駆動用バッテリーは、実容量で94kWh。駆動用モーターの最高出力は、シングルモーターで271ps、ツインモーターでは合計で544psがうたわれる。
「これまでの3より、かなりの増強です。ポールスターは、プレミアムSUVセグメントのモデルを5万ポンド(約805万円)から幅広く提供します。でも、それだけではありません」。とインゲンラスは述べる。
インテリアデザインは、ファッション・アイテムに影響を受けたとのこと。使用される素材は全般的に現代的な印象で、シンプルでありながら上質。センターコンソールのロータリーダイヤルを除いて、実際に押せるハードスイッチは見られない。
エアコンやインフォテインメント・システムなどは、すべてタッチモニターを介して操作する。ミッソーニは、この方が使いやすいと考えているようだ。
「ボタンのないレイアウトの車内は、モダンでエレガント。後方視界はカメラが担います。包まれているようで、居心地が良いはずです」。リアシート後方には、バックライトパネルが埋め込まれている。
通常のバックミラーの位置に据えられたモニターは、光学的なミラーに切り替えることもできる。ドライバーは、リアシートに座る子供の様子も確認できる。
新しいポールスター4は中国の工場で製造され、販売も中国からスタートする。欧州市場へやってくるのは、2024年の春頃になる予定だ。