トヨタbZ3 5人乗りのEVセダン、上海で実車公開 BYD製バッテリーで航続距離600km
公開 : 2023.04.19 06:05
トヨタは上海モーターショーで「bZ3」を公開しました。テスラ・モデル3のライバルとなる5人乗りのEVセダンで、空力に配慮したボディデザインと中国EV大手のBYD製バッテリーにより航続距離600kmを実現します。
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トヨタは4月18日開幕の上海モーターショーで、新型EVセダン「bZ3」を披露した。同社にとって2台目のEV専用モデルであり、中国のEV大手BYDが供給する先進的なバッテリーを搭載している。
トヨタbZ3は今のところ、中国でのみ製造・販売される予定だ。他国での販売計画はまだ確認されていないが、AUTOCARが英国で販売される可能性があるかどうか尋ねたところ、トヨタの欧州製品担当責任者であるアンドレア・カルーチ氏は次のように答えた。「期待していてください。『3』を導入するとは言えませんが、非常に良い質問だと思います」
EV用のe-TNGAプラットフォームをベースにしたbZ3は、「レスポンスの良いパフォーマンスと、低重心で優れた操縦安定性」を持つとされている。5人乗りで、サイズは全長4725mm、全幅1835mm、全高1475mmと、テスラ・モデル3に近い。
トヨタによると、エアガイドとエアカーテンをボディ全体に配置したほか、ドアハンドルやリアバンパー、アルミホイールも空力的なデザインとしたことで、Cd値0.218という低い空気抵抗を実現したという。
BYDが製造するリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを搭載しており、10年経過しても充電容量の90%を維持できるよう開発されている。
トヨタは性能や充電速度などパワートレインの詳細を明らかにしていないが、bZ3の航続距離は約600kmとしている。
インテリアは、クルマを単なる移動手段ではなく、家族や友人と過ごす空間として捉える「Family Lounge」コンセプトを意識してデザインされた。
縦長の大型センターディスプレイを囲うように、トレイ型コンソールを一体化させた「デジタルアイランド」というレイアウトを採用。スマートフォンとの連携やワイヤレス充電機能を備えている。
ディスプレイは、エアコン、音楽、ボイスコントロール機能の調整に使用される。
bZ3の開発は、トヨタとBYDが合弁で設立した電動車技術会社BTETと一汽トヨタの3社により進められ、約100名のエンジニアが携わった。
トヨタはbZ3について、「この3社が『開発体制』『クルマづくり』『電池技術』について、それぞれ学びあい、強みを融合し開発」を行い、「お客様にこれまでにない新しい価値と体験を提供するBEV」に仕上がったと述べている。