マイチェンで僅かにリフレッシュ メルセデス・ベンツGLE SUVへ試乗 極めて快適で洗練

公開 : 2023.05.05 08:25

極めて快適で洗練されたSUV

一般道を走り出してみると、サスペンションの優れた姿勢制御と細やかな処理能力で、上質な乗り心地にあることがわかる。オプションの20インチ・ホイールを履いていても。

適度に引き締まり、ボディロールは限定的。大きな起伏などを均す能力は高く、衝撃をなだめつつ落ち着きを失いにくい。ロードノイズも、巧みに抑えられているようだ。

メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック SUV(北米仕様)
メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック SUV(北米仕様)

駆動用バッテリーに充分な電気が蓄えられていれば、駆動用モーターだけで、ほぼ無音で走行できる。極めて快適で洗練されたSUVだといえる。

EVモードでの400e 4マティック SUVの加速力はたくましく、市街地の速度域では余裕綽々。メーカーが主張する駆動用モーターでの走行可能距離、91-104kmに届かせることは難しいとしても、殆どのライバルより内燃エンジンを回さず長時間運転できる。

4気筒エンジンが目覚めると、洗練性に影響が及ぶ。低めのギアで負荷が高まると、明確にノイズを発する。ただし、2つの動力源が調和して協働する高速道路では上質。エンジンは低めの回転域を保ち、目立つことはない。

ステアリングホイールは軽く回せ、反応は正確。全長が4924mmもある大柄なボディながら、直感的に導きやすい。4マティックとメルセデス・ベンツが呼ぶ、四輪駆動システムが確実なトラクションを保証してくれる。

都市部をゼロエミッションで走れる

少し気になったのが、ブレーキペダルのフィーリング。制動力は間違いなく高いのだが、ペダルに明確な感触が伝わってこない。プラグイン・ハイブリッドではないGLEの方が、印象は良いようだ。

また急な旋回を求めると、荷室のフロア下に積まれた駆動用バッテリーの重量を意識させられる。400e 4マティックが、運転を1番楽しめるGLEとはいえないだろう。

フェイスリフト後のメルセデス・ベンツとメルセデスAMGのGLEクラス(北米仕様)
フェイスリフト後のメルセデス・ベンツとメルセデスAMGのGLEクラス(北米仕様)

メルセデス・ベンツGLEを考えていて、都市部をゼロエミッションで走りたい場合は、この400e 4マティック SUVが最有力の選択肢になるだろう。パワートレインの完成度は高い。

とはいえ、英国価格は8万7500ポンド(約1408万円)から。プレミアム・ブランドのSUVとして、価格も含めて競争する相手は少なくない。

メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック SUV(北米仕様)のスペック

英国価格:8万7500ポンド(約1408万円)
全長:4924mm
全幅:1947mm
全高:1797mm
最高速度:210km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:90.9km/L
CO2排出量:24g/km
車両重量:2645kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:31.2kWh
最高出力:380ps/5800rpm(システム総合)
最大トルク:61.1kg-m/3000-5000rpm(システム総合)
ギアボックス:9速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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