キャデラックATSクーペ 2.0L プレミアム・コレクション
公開 : 2014.09.27 23:40 更新 : 2017.05.29 18:32
■どんなクルマ?
BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4に対抗すべく、アメリカでは2012年に発表されたキャデラックATSのクーペ・バージョンを試すことにする。
サーブ9-3を単に欧州仕様として売ってしまったキャデラックBLSの ’過ち’ を知っている向きならば、ドイツ御三家と真向勝負? ふざけんじゃないよ。とお思いのことかもしれないが、キャデラックATSに関しては ’本気で’ 牙城に迫ろうとしている様子。
英国に入ってくる分は、今のところ左ハンドルだけだし(右ハンドルの計画もあるとのこと)、このクルマを買うにはマンチェスターのディーラーまで行かなければならないのだけれど、キャデラックが粘り強く激戦区で奮闘していることは評価すべきだと思う。
などと考えている間に、BMW4シリーズのライバルとも言える(かもしれない)ATSクーペが英国にも入ってきたとの報。アメリカでは確固たる地位を築いているものの、英国ではいまいちパッとしないキャデラックが、名誉回復のもとに不屈の努力を続けた末に生み出した最新モデルに正面から向き合って見ようと考えたのだ。
前置きが長くなってしまったけれど、早速外観から見ていくことにしよう。
ATSのボディには、超レアかつかなりの速さのCTS-Vの印象が色濃く残っていることも手伝って、一目見ればかなりのアスリートであることを予感させる。
中を見れば、ダブル・ステッチが施されたレザーや、質感漂うウッド、ピアノブラックのパネルやサテン・クロームの差し色などからもキャデラックの本気度が伺える。
機構的にもさまざまな部分からヨーロッパ車を意識していると感じる。プログラム・エンジニアのワカー・ハシム氏も、4シリーズとA5をターゲットにしていると答えてくれたのだから間違いないと言っていい。
組み合わされるエンジンは2.0ℓターボ。最高出力は276psと最大トルクは40.8kg-m。現時点では6速のATのみの組み合わせとなるけれど、エレガントなマグネシウム製パドル・シフトからギア選択できるのは嬉しい限り。
出力は5アーム・マルチリンクによって繋がれるリア・タイヤへと伝達される。ちなみにフロントはジオメトリーが優れるダブル-ジョイント・ストラット。マグネティック・レオロジー(磁気流体)ダンパーまでついているのだから、かなりの力の入れようである。
コンベンショナルなショックを組み合わせた4WDもお忘れなく。これを含めて全6グレードの展開だ。一番やすい車両の価格は£34,395(611万円)から。