ジャガー 新型4ドアGT、2024年発売へ 航続距離700km EVブランドとして再出発

公開 : 2023.04.21 06:05

顧客との関わり方も一新 根本的な改革

JLRのチーフ・コマーシャル・オフィサー(最高商務責任者)であるレナード・ホーリック氏は、ジャガーブランドへの投資額は約10億ポンド(約1670億円)に上ると述べた。「わたし達はジャガーの伝統のためだけでなく、その未来のために投資しているのです」

ジャガーの再構築プロジェクトには、すでに約100社のサプライヤーが参加しており、単に新モデルを作るだけでなく、ブランドのあらゆる側面や顧客との接し方を変えていこうとしている。

ジャガーEタイプ
ジャガーEタイプ

ホーリック氏は、「全く新しいブランド、新しいビジネスモデル、新しいコンピテンシーを創造し、クライアント・ジャーニーのあらゆる部分を再構築しています。クルマの買い方、サービスの仕方など、オンライン、オフラインを含めて、すべて一から作り直します」と語っている。

この改革にはディーラーも含まれており、ホーリック氏は「どこでも買えるわけではない」と述べ、新車販売ディーラーの数を減らす姿勢を示した。

また、ホーリック氏は「他の3つのブランド(レンジローバー、ディスカバリー、ディフェンダー)のレンジもあり、すべて電動で、専用エリアが用意されます」と話す。これは、ランドローバーブランドが後退し、レンジローバー、ディスカバリー、ディフェンダー、ジャガーの4つのブランドが、JLRを支える大黒柱となることを意味するものである。

JLRのエイドリアン・マーデルCEOは、ジャガーの再構築について「ジャガーは期待を裏切ることはないでしょう。やり残した事業を正すことになるのです」と述べた。そして、今回の再構築はジャガーブランドにとって「最後のチャンス」などではなく、「50年後もここにあると信じている」とした。

マクガバン氏は、ジャガーの新しいブランディングが既存の顧客を遠ざけるとは考えていないようだが、変化を拒む顧客が常に存在することは認めている。「物事は前に進まなければならない」とし、魅力的な提案をするつもりだという。

「EVは、ICEと同じように1つの推進方式です。EVは魅力的な存在になり得ます。時計と同じで、新しいものが出てくると、やはり古いものがいいと思うのですが、時間が経つにつれて、それがどういうものなのかがわかってきて、考えが変わってくるのです」

「既存のお客様を大切にしながらも、新しいお客様、つまりクルマのことをあまり考えず、より文化的でアーティスティックなお客様もターゲットにしています。新しいものに行くと、人は振り返るものですが、それはそれでいいんです」

マクガバン氏は、手がかりの少ない予告画像を見せながら、EVにしたことで「車内のスペースが広がり」、「豪快なプロポーション」が実現したと述べた。

ホーリック氏は、4ドアGTが社内で人々を「驚かせた」と述べ、クルマと新ブランドの価値提案について「嬉しい驚き」を受けたと語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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