「男性優位」のレストア業界を揺さぶる29歳の挑戦 クラシックカーに新たな付加価値を

公開 : 2023.04.23 18:05

今後はスポーツカーレストア

多少嫌な思いをすることはあるものの、この状況は変わりつつあるとペックさんは信じている。この業界に入ろうとする女性へのアドバイスを求めると、リスペクトを得るためには「素早く適応」し、過剰な補償をする必要がある、と答えた。

「わたしが学んだ最も大きなことは、相手が自分に話しかけてくるように、自分も相手に話しかけることです。恥ずかしがってはいけません。自信を持って、打ちのめされないようにすることです。もし、誰かがノーと言ったり、あなたを騙そうとしたりしても、それを受け止めてはいけません。ただ前進あるのみです」

ランドローバーなどの4WD車を中心に、今後はスポーツカーにも手を広げたいという。
ランドローバーなどの4WD車を中心に、今後はスポーツカーにも手を広げたいという。    オーブリー・オートモビルズ

ペックさんによれば、この業界に参入する女性が増えていることから、流れが変わりつつあるという。「この流れはとても速い。すでにここ数年、女性の進出が進んでいることは実感していますし、今、わたしが21歳のスタッフ(女性)を雇おうとしていること自体、驚いています」

「何かをする女性が増えれば増えるほど、男性は彼女たちをリスペクトするようになるし、うまくいけば平等になっていくでしょう」

オーブリーの将来計画は、野心にあふれている。4WD車のレストアから会社を多角化するために、新たにスポーツカー用のワークショップを計画中である。設立当初は「焦点を絞って自らを確立する必要があった」そうだ。スポーツカーはペックさんのお気に入りの分野であり、彼女が日常的に乗っているのはマセラティ・グラントゥーリズモだ。

「オーブリーには、ランドローバーだけでなく、スポーツカーやクラシックカー、高級車など、アドベンチャーに特化したオーダーメイドの車両製作サービスになってほしい」とペックさん。「それはわたしにとって大きなことです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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