誇張しない流麗なデザイン ポールスター3、英で実車公開 最高出力517psの大型電動SUV

公開 : 2023.04.24 06:05

ポールスターは英国で新型「3」の実車を公開しました。最高出力517ps、航続距離は最大610kmとされる大型の電動SUVです。Nvidiaのコアコンピュータによる先進の安全装備などハイテク満載です。

ポールスターから大型EV エアロダイナミクスに注力

スウェーデンのEVブランドであるポールスターは、英ロンドンで開催された自動車イベント「サロン・プリヴェ」で、同社初のSUVとなる新型3を公開した。

デュアルモーター仕様で最高出力517psを発揮し、先進の安全機能を多数備え、内装には持続可能な素材を多用している。ポールスターは「より適切で責任感のある」ものになると述べている。

英サロン・プリヴェで公開されたポールスター3
英サロン・プリヴェで公開されたポールスター3    AUTOCAR

サロン・プリヴェで展示されたのは、ロングレンジのデュアルモーター仕様で、スノーホワイトの塗装と22インチ4スポーク鍛造アロイホイールを身にまとう。英国では初めての実車公開となる。

先進のSPA2プラットフォームをベースにしたポールスター3は、次期ボルボEX90と兄弟車の関係にあり、多くのテクノロジーとシステムを共有している。しかし、ポールスター1、2がボルボのコンセプトカーをベースにしていたのに対し、3は構想段階からポールスターとして設計された最初のモデルである。

エクステリアは、大型SUVでありながらエアロダイナミクスを重視した流麗なデザインとなっている。

デュアルブレードのヘッドライト、リアスポイラー、フロントエアロウィングなど機能的なデザインを持ち、ボディ先端には各種センサーを内蔵した「スマートゾーン」パネルが置かれている。ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、こうした要素がブランドの「決定的な特徴」になると語っている。

パフォーマンス重視のパワートレイン

3はデュアルモーターを搭載し、標準仕様で最高出力490ps、最大トルク85kg-mを発揮。2584kgの車体を静止状態から5.0秒で100km/hに加速させ、最高速度は210km/hに達する。

オプションのパフォーマンス・パックを装着すると、最高出力517ps、最大トルク92kg-mにパワーアップし、0-100km/h加速を4.7秒に短縮することができる。

英サロン・プリヴェで公開されたポールスター3
英サロン・プリヴェで公開されたポールスター3    AUTOCAR

さらに、大型SUVでありながら「ポールスターの特徴であるパフォーマンスと精度」を実現するために、2ミリ秒ごとに調整可能な電子制御のデュアルチャンバー・アダプティブエアサスペンションが採用されている。フロントには400mmのブレンボ製4ピストン・ブレーキが装備される。

リアにはトルクベクタリング機能が備わり、リアモーターを自動的に切り離すことで、特定の状況下ではフロントモーターのみで走行し、消費エネルギーを節約できる。また、ワンペダルドライブ機能も搭載されている。

英国では、プリズムセル形状の111kWhのリチウムイオンバッテリーを採用したロングレンジ仕様が導入される。航続距離は最大610kmで、充電速度は最大250kWまで対応している。双方向充電V2Gが可能で、ヒートポンプを標準装備する。

インフォテインメント・システムや安全技術も最新のものが採用された。Nvidiaの新しいコアコンピュータを搭載し、「AI頭脳」として多数の車載センサーから得られるデータを処理する。5つのレーダーモジュール、5つの外部カメラ、12の超音波センサーがあり、ボルボのセーフティ・ソフトウェアが使用されている。

英国では、LiDAR付きのパイロット・パックもオプションで用意される。Nvidiaのコントロールユニット、3つのカメラ、4つの超音波センサーが追加され、クルマの周囲の3Dスキャンを強化して、より正確なリアルタイムデータを得られるようになるという。

また、センサーは車外をモニターするだけではない。ポールスターは、車内レーダー技術によってミリ単位の動きを検知して、子供やペットの車内放置を警告し、空調と連動することで熱中症や低体温症を予防できるとしている。

また、2つのクローズドループ・ドライバーモニターカメラは、ドライバーの注意散漫や居眠りを検知すると音声で警告を発し、自動的にクルマを停止させることも可能だという。

記事に関わった人々

  • ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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