同社で最もワールドワイド フォード・レンジャーへ試乗 2.0ツインターボ・ディーゼル搭載

公開 : 2023.05.04 08:25

運転のしやすさが生む全般的な安楽さ

先代のレンジャーより走行中の車内は静かで、高速道路の速度域でも風切り音は小さい。全長は5360mmもあり、市街地の駐車場では手に余る大きさだが、実際のユーザーはうまく付き合っているのだろう。

全幅は2028mmあるが、想像するほど狭い道で神経質になることもなかった。レンジローバーより目線が高いドライビングポジションは見晴らしが良く、ボディサイドがフラットだからだ。

フォード・レンジャー 2.0エコブルー・ワイルドトラック(英国仕様)
フォード・レンジャー 2.0エコブルー・ワイルドトラック(英国仕様)

フロントマスクはボクシーながら、燃費は悪くない。今回の試乗では、積極的にバーミンガム郊外の道を飛ばして平均9.9km/Lだった。カタログ値は11.4km/Lがうたわれる。

筆者がレンジャーで印象深かったのが、全般的な安楽さ。見た目以上に運転しやすく、ステアリングホイールの重み付けは妥当で、反応はクイック。車線を簡単に維持でき、コーナーでは優れたグリップ力が安心感を生んでいた。

意欲的にカーブへ突っ込んでみても、ボディロールはしっかり抑制されている。サスペンションの能力ではレンジャー・ラプターに及ばないにしても、乗り心地はフラット。舗装の剥がれた穴を通過しても、落ち着きを失うことはない。

全面的な改良でより優れたモデルへ進化

フォード・レンジャーは、英国ではありふれた存在といえる。とはいえ、その能力は唸るほど高く、実用性は先代からの折り紙付き。全面的に改良された新型では、より優れたモデルへ進化している。

バッテリーEVが一般化する時代が近づいていても、定評のある実用的なクルマの魅力が薄まることはないようだ。現在のパワートレインは内燃エンジンのみだが、追って駆動用モーターが組み合わされたプラグイン・ハイブリッドも登場するという。

フォード・レンジャー 2.0エコブルー・ワイルドトラック(英国仕様)
フォード・レンジャー 2.0エコブルー・ワイルドトラック(英国仕様)

フォード・レンジャー 2.0エコブルー・ワイルドトラック(英国仕様)のスペック

英国価格:3万9350ポンド(約633万円)
全長:5360mm
全幅:2028mm
全高:1884mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:10.5秒
燃費:11.4km/L
CO2排出量:230g/km
車両重量:2239kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:205ps/3750rpm
最大トルク:50.9kg-m/1750-2000rpm
ギアボックス:10速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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