EV充電でロボットが活躍? どんどん重くなる充電ケーブル、人間の代わりに操作
公開 : 2023.04.28 06:05
EV充電の高速化が進むにつれて、充電ケーブルはどんどん重く、太くなっていきます。暗い場所での充電作業も簡単ではありません。そこでロボットを活用し、人間の代わりに充電を行ってもらうという技術が開発されています。
ロボット活用で充電が簡単に
EVの充電、特に充電速度は、EV普及の大きな障壁と考えられている。ガソリン車やディーゼル車とは異なり、EVは充電時にかなりの時間、専用の駐車スペースを必要とするため、充電にかかる時間は短ければ短いほどよい。
しかし、充電の高速化と送電電力の増大により、ケーブルは重く、太く、扱いにくくなる。そのため、特に移動に支障のある人にとっては、取り扱いが難しくなったり、不可能になったりするだろう。
また、暗い場所では、充電口に充電器のプラグを差し込むという作業だけでも厄介だ。
こうした諸問題に対するヒョンデ(現代自動車)の回答が、自動充電ロボット(ACR)だ。ACRは昨年CGI動画で発表されたが、今年3月に開幕のソウル・モビリティショー2023では実物が展示された。
ACRは、充電施設の駐車スペースの脇に設置される。ドライバーは車両(デモではアイオニック6)を駐車スペースの前に停め、降りてキーフォブのボタンを押す。すると、車両に自動駐車と充電が指示される。
その後、車両は自動的に正しい位置に移動し、ACRは車両と通信して充電ポートを開け、プラグを差し込む。充電が完了すると、プラグを引き抜き、ポートを閉じ、充電完了の知らせをドライバーの携帯電話に送る。
このシステムを実現するためには、ACRが車両の正確な位置、充電ポートの形状、天候、障害物(人間の場合もある)の存在、ケーブルの重さなどを把握する必要がある。頭脳となるのは、アルゴリズム、3Dカメラベースの人工知能、高度な制御技術だ。
ACRは既存の充電器と併用できるように設計されており、国際規格IP(Ingress Protection)で「IP65」の認証を受けている。「6」は防塵性能の最高得点、「5」は高圧噴流水にも耐えられることを意味する。
ここ数年、ロボットによる充電はかなり注目されている。オーストリアのVolterio社は、車体の下に潜り込み、専用の充電ポートに接続する巨大なマウスのようなシステムを開発した。また、地中に埋め込むタイプのユニットも開発中だ。
ドイツのシュンク・グループは、地面から飛び出し、車両のアンダーボディ充電器の位置を探し出すシステムを設計した。この技術は、数分で600km分の充電ができる超高速DCシステムや、一般家庭の駐車場の地面に置いてウォールボックスに接続できる22kWのACホームユニットに応用することができる。
電子機器大手シーメンスも開発を進めている。300kWの出力が可能なロボットシステムで、マークされた場所に車両を停めるだけで充電が可能だ。