ドライブモードの違い フォルクスワーゲンID.4 GTX 長期テスト(7) 実際より大きく感じる
公開 : 2023.05.08 09:45
クルマとの一体感や伝わってくる感触が薄い
ID.4 GTXの操縦性には、キアEV6 GTほど惹き込まれる個性がないといえる。2022年にAUTOCARで実施した、バッテリーEVによるドライバーズカー比較でも、その事に触れられている。
カーブを得意とするようなスポーティさではなく、高速なID.4という性格付けにあるように思う。ステアリングの反応は好ましく、シャシーの懐も深い。それでも、クルマとの一体感や伝わってくる感触が薄いのだ。
高速道路を安楽に運転できるようチューニングされたクロスオーバーに、スポーティな操縦性が必要だとは限らない。ドライバーの好みにもよるだろう。ID.4 GTXはゴルフ GTIのようなホットハッチではなく、ティグアン RのようなスポーツSUVも狙われていない。
それでも、ID.4 GTXの都市部での能力を知ると、もう少し魅力を追い求められたように思う。フォルクスワーゲンのバッテリーEVとして。
ID.4 GTXは、市街地での取り回しがしやすい。最小回転直径は10.2mと、サイズが小さいフォルクスワーゲンUp!の9.8mと0.4mしか違わない。狭い道をキビキビと走ってくれるだけに、そう思えるのだろう。
積算1万3214km 収納スペースがないフロント
いくつかのバッテリーEVとは異なり、ID.4のボンネット内には収納スペースが用意されていない。実際、フロント側にはそんな余裕がないように見える。
ライバルモデルのフォード・マスタング・マッハEには、ボンネットを開くと81Lの収納スペースがあり便利そうだ。とはいえ、ID.4の実用性にはまったく不満を感じていないけれど。
テストデータ
気に入っているトコロ
見た目:ID.4 GTXの長期テストが始まってしばらく経つが、実は見た目がカッコイイと感じている。少なくとも、フロント周りは。
気に入らないトコロ
ドアハンドル:ドアを開くためのボタンがドアハンドルの下側に付いており、予め説明しないと多くの人が乗れない。運転席側から手を伸ばしてドアを開くこともしばしば。
価格
モデル名:フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)
新車価格:5万540ポンド(約808万円)
テスト車の価格:5万1225ポンド(約819万円)
テストの記録
電費:5.4km/kWh
航続距離:421km
故障:なし
出費:なし