世界に衝撃と驚きを与えたクルマ 20選 意外すぎたデビュー、革新的な市販車も
公開 : 2023.04.29 18:05
ビュイックGNX(1987年)
「パフォーマンス」という言葉を聞いて、ビュイックを思い浮かべる人は少ないだろう。ゴルフ好きなら、ビュイックのキャディバッグを連想するかもしれないが。しかし、1980年代、ゼネラルモーターズ傘下のセミ・プレミアムブランドであったビュイックは、生活臭のあるリーガルをシボレー・カマロよりも速く走らせたのである。
グランドナショナルは、ビュイックのNASCARレースでの成功を記念して1982年にデビューした。4.1L V6を採用したが、最高出力は125psにとどまる。1983年に一旦廃止されたが、1984年に3.8L V6ターボチャージャーを搭載し、200psの出力を得て復活。その後、徐々にパワーアップし、1987年に登場したGNXは、ビュイックで最もコレクターの多いモデルの1つとなっている。
限定モデルのGNXは、書類上では最高出力276psを謳っていたが、実際には300psに近い。ビュイックはシボレー・コルベットのイメージを守るために、性能数値を低く評価していたのである。これは、ゼネラルモーターズが競合他社のことを考えるよりも、身内のブランドのことを重視していた一例である。
キア・エラン(1996年)
1990年代、徐々に自信を深めたキアは、ラインナップの最上位に位置するトップモデルを望むようになった。そこで、ロータスにスポーツカーの共同開発の話を持ちかけたところ、M100型エランの生産権を購入することになり、交渉は思わぬ展開を見せた。ロータス・エランとキア・エランの2台は外観こそほぼ同じだが、キアはセフィア(中型セダン)の最高出力151psの1.8Lエンジンを使っている。
当時、プライドのようなお買い得なエコノミーカーの代名詞だったキアにおいて、エランは大変奇妙な存在だった。結局、生産台数は1000台に満たなかった。そのほとんどは韓国で販売されたが、ごく少量が英国にも持ち込まれている。
メルセデス・ベンツAクラス(W468、1997年)
1997年のフランクフルト・モーターショーで、メルセデス・ベンツが初めてシティカー(小型車)を発表したことは大きな話題を呼んだ。スポーティでもラグジュアリーでもなく、ブランド初の前輪駆動プラットフォームに型破りなほど背の高いボディを載せている。初期のモデルは、80km/hで緊急回避運動を行う「エルクテスト」に不合格となり、それもまた大きな話題となった。
メルセデス・ベンツはAクラスの販売を3か月間停止した後、電子制御スタビリティコントロールの導入とサスペンションの変更によってこの問題を解決した。