ボルボ、EV販売好調 高級SUV「社内予測を大幅に上回る」受注 航続距離580km

公開 : 2023.04.28 18:05

ボルボは、新型EV「EX90」の受注数が社内予測を大きく上回ったと発表しました。全長5.0m超の大型SUVで、3列シートを備えた7人乗り、1回の充電での航続距離は580km以上とされています。

次世代EV、予想を上回る反響

ボルボは、昨年発表された新型SUV「EX90」に対する反響について、同社の予想を大きく上回ったとしている。

新型EX90は、従来のXC90に相当する大型のバッテリーEVで、初回生産分はすでに完売し、受注数が「最も大胆な社内予測」を上回ったという。これに先立ち、ボルボはEX90が販売停止になったと発表したが、英国では引き続き注文可能だ。

ボルボEX90
ボルボEX90    ボルボ

今年初め、ボルボのCEOであるジム・ローワン氏はAUTOCARに対し、EX90は2024年の販売開始に向けて、当初はごく少量生産にとどめると語っていた。

また、近く導入が予定されている小型SUVのEX30(仮称)との関係については「ラインナップのトップとテール」と述べており、ブランド最小モデルがEX30、最大モデルがEX90になるようだ。

ローワンCEOによると、EX90は「ボルボが今いる場所と、これから向かう場所を示すもの」であり、自動車の衝突死亡事故ゼロを目指していることから、安全性に関する新基準を設定するという。

EX90は、フラッグシップのEV専用モデルである。既存のXC40リチャージ、C40リチャージに続く同社3番目のEVだが、プラットフォームには初めてSPA2を採用した。

先進の安全機能も搭載

スタイリングとしては、XC40リチャージに見られるパネル型グリルや直立したテールライトなど、EVにおなじみのデザインを踏襲している。また、航続距離を伸ばすために空力効率にも磨きをかけ、空気抵抗係数はCd値0.29を謳う。

パワートレインはツインモーター/四輪駆動で、最高出力407ps、最大トルク78kg-mを発生させるが、パフォーマンスモデルは最高出力517ps、最大トルク92kg-mとなる。いずれも最高速度は180km/hに制限される。また、より低出力のシングルモーター仕様も導入予定である。

ボルボEX90
ボルボEX90    ボルボ

容量111kWhのバッテリーを搭載し、電力消費効率は1kWhあたり4.7km、1回の充電での航続距離は580~586kmとされる。最大250kWの充電に対応し、30分で10~80%の充電が可能だという。

ボディサイズは、全長5037mm、全幅1964mm、全高1747mm。現行のXC90より全長、全幅ともに大きいが、全高は若干低い。車両重量は2818kg。7人乗りでトランク容量は310L、3列目シートを畳んだ状態(5人乗車時)で665L、2列目も畳むと1915Lになる。足回りとしては、22インチのアルミホイールとエアサスペンションが標準となる。

EX90の最大の特徴は、安全性に関するソフトウェア、ハードウェアにある。注目すべきは、LiDARを標準装備(センサーをルーフ前端に搭載)し、他のセンサーやカメラを補完して運転支援能力を底上げしていることだ。

発売当初は、車線変更支援のステアリング・サポート機能が追加された運転支援システム「パイロット・アシスト」が搭載される予定だ。ボルボによると、将来的に特定の条件や場所で「監視なしの自動運転」を実現する機能をOTAサブスクリプション方式で提供するという。また、車内センサーでドライバーの目の集中力を測定し、注意散漫や居眠り運転を警告する。

こうした新しい安全機能とインフォテインメント・システム、バッテリー管理システムは、Nvidia DriveとクアルコムのSnapdragon Cockpitプラットフォームを使用したコアソフトウェアによって制御される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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