初めてのサーキット走行に必要なこと 知っておきたい初心者の心得

公開 : 2023.05.02 18:05

クルマを安全に楽しむことができるサーキットの人気は世界で高まりつつあります。でも、初めてサーキットを走るとき、どんなことに気をつければいいのか。経験豊富な英国人記者が解説します。

サーキットは安全にクルマを楽しめる場

近年、サーキットに対する人気が高まってきている。多くの乗用車が均質化し、公共の場でクルマを楽しむことがますます社会的に許されなくなる中、自動車愛好家たちはかつてないほどサーキットに足を運んでいる。

英国最速のサーキットとも言われるスラクストン・モータースポーツ・センターを運営するブリティッシュ・レーシング・クラブのCEO、ベン・テイラー氏は、「サーキット走行への関心はパンデミック後に爆発的に高まり、衰える気配がありません。2022年は記録的な年でしたが、2023年も基本的にすでに予約で埋まっています」と述べている。

サーキット走行のハードルは、おそらく思っているほど高くない。
サーキット走行のハードルは、おそらく思っているほど高くない。

しかし、もしこれまでサーキットを一度も走ったことがなかったら、どうすればいいのだろう? 自分自身とクルマをこれまで以上に追い込むことに、興奮と同時に不安を覚えるかもしれない。だが、サーキットを恐れる必要はない。実際、サーキットで限界までクルマを走らせることは、公道で同じことをするよりもずっと楽しいうえ、はるかに安全なのだ。

サーキットでは対向車が来ないし、路面がぬかるんでいることもないし、万が一失敗しても、何もぶつからない可能性が高い。また、万が一ぶつかったとしても、電柱や街路樹とは異なり、特別に設計されたバリアがドライバーを守る。

それでも、初めてのサーキット走行を思い出深いものにするために、できることはたくさんある。1つずつ見ていこう。

本稿は英国編集部の記者によって書かれたものだが、注意点やアドバイスなどは概ね日本国内のサーキットでも当てはまると思う。少しでも参考になれば幸いである。

初心者向けのやさしいコースを選ぼう

サーキット走行には、その施設に所属するクルマを運転するものも含め、実にさまざまな形態がある。そのため、以降の解説はすべて、自分のクルマで参加することを前提にしている。

まず、最も重要なのは、どのサーキットに行くかということだ。英国ではどこでも走行会を主催しているが、シルバーストンのようなF1公認の施設を利用するには、マロリーパークのようなクラブレベルの比較的小規模な施設よりも費用がかかるのは当然である。

当然ながら、いきなり高難易度のサーキットに挑むのは無謀だ……。
当然ながら、いきなり高難易度のサーキットに挑むのは無謀だ……。

予算はともかくとして、最初のサーキット走行には、寛容でやさしいサーキットを選ぶのがベストだろう。英国にはスラクストン、グッドウッド、オウルトン・パークといった素晴らしいコースが数多くあるが、まずは他の場所で経験値を稼ぎ、少しでも慣れておくとさらに楽しめるだろう。

ベッドフォード・オートドロームは、コースによってはかなりフレンドリーだ。また、AUTOCAR英国編集部もテストでよく使うアングルシー・サーキットや、あまり知られていないがリンカンシャー州のブライトン・パークなどもある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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