初めてのサーキット走行に必要なこと 知っておきたい初心者の心得
公開 : 2023.05.02 18:05
走行会やイベント選びも大切
続いて、どんな走行会・イベントに参加するかということも重要だ。1500ポンド(約25万円)で買ったマツダMX-5をちょっと走らせたかっただけなのに、ポルシェ911 GT3 RSを駆るベテランの群れに威圧されるのは嫌だろう。
ほとんどの走行会は、サーキットではなく第三者が主催している。英国ではGoldtrack、Javelin、MSV、RMAなどの団体が有名で、評判も高い。
主催団体は初心者ドライバー向けのセッションを企画するところが多いが、特定のドライバーに向けたイベントも少なくない。例えば、RMAは上級者向けの講習会を催す傾向がある。
どこに行っても、またどの主催者を選んでも、参加前に自分自身で予習しておくことが大切だ。車載映像を見てコースのレイアウトを学んだり、プレイステーションなど家庭用ゲーム機を持っていれば自分で運転してみたりするのもいいだろう。
まともな主催者は資格を持ったインストラクターを用意しており、初心者を怖がらせるのではなく、サーキットの仕組みを教え、リラックスできるように案内してくれる。
最後に、じっくり時間をかけること。サーキット走行会はほとんどいつも同じパターンで行われる。何週間も前から楽しみにしていたため、朝9時ちょうどにはみんなピットに列を作るが、午後はいつもずっと静かなものだ。車内でくつろぎ、ただグルグル回るのではなく、自分でいろいろと遊んでみてほしい。
また、人間の脳は走行中に必要な情報を集めようとするが、その情報を処理するのは主に休憩時間だ。休憩をたくさんとって、再び走り出すたびに、もっと楽に、もっと楽しくなっていく。休むことは安全のためにも大切だ。
サーキットの疑問 保険や費用は?
サーキット保険
通常の自動車保険では、サーキット走行はほとんどカバーされないことを覚えておいてほしい。サーキット走行に特化した保険があり、年齢や車種、補償内容によってはそれほど高額にはならないだろう。ただし、貴重なクルマを所有している場合、その保険料に驚くこともあるかもしれない。
サーキット走行には第三者による補償がないため、一緒に走行する人が保険に加入しているかどうかは関係ないことを肝に銘じよう。つまり、自分が聖人のように振る舞っているにもかかわらず、無作法な暴れん坊がぶつかってきたとしても、基本的には自分の責任である。相手を起訴してお金を払わせることができない限り、サーキットでは法的な救済措置は一切ないと考えよう。
サーキット独自の貴重な体験も
特定のイベントでは、普段乗れないようなエキサイティングなクルマで走り回ることもできる。ポルシェやフェラーリといった高級スポーツカー、ケータハムのような軽量マシン、古いクラシックカー、あるいは一人乗りレーサーなど、さまざまなものがある。こうしたイベントは、サーキット施設が主催することが多いようだ。
企業のイベント
サーキットでのイベントに力を入れている企業の場合、オフロード車から専用のレーシングカーまで、さまざまなマシンを1日かけて運転し、隣でインストラクターが運転技術の指導にあたってくれる。ベッドフォード・オートドロームで開催されるパーマー・スポーツ・デー(palmersport.com)は、その代表例だ。自分のクルマをサーキットに持ち込めない場合は、こうした企業や団体を探してみるのもアリ。
料金
サーキット走行にかかる費用はさまざまだ。施設によって異なるのはもちろん、午前か午後、セッションによる違いもある。騒音規制が厳しい施設の場合、比較的高額になる傾向も。また、ピットレーンが開放されている有名サーキットで「うるさい」1日を過ごすなど、サーキットをどう楽しむかは自分の都合に合わせて選ぼう。