中国の大きな「猫」 航続距離600kmの小型セダン、欧州発売へ オラ・ライトニングキャット

公開 : 2023.05.02 06:05

長城グループ傘下のEVブランドであるオラ(欧拉)は、小型セダン「ライトニングキャット(閃電猫)」を2024年に欧州で発売すると発表しました。中国仕様は最高出力400ps以上、航続距離600kmを誇ります。

中国オラ(欧拉)の小型EVセダン、欧州へ

中国のEVブランドであるオラ(欧拉)は、2024年に欧州で発売予定の小型セダン「ライトニングキャット」を公開した。中国では「閃電猫」として販売されている。

ライトニングキャットは、ハッチバックのファンキーキャット(中国名:好猫)のセダン版と言えるモデルで、2種類のバッテリーサイズと、二輪駆動と四輪駆動が用意される。

オラ・ライトニングキャット(パリ・モーターショー2023にて)
オラ・ライトニングキャット(パリ・モーターショー2023にて)    AUTOCAR

欧州向けの仕様詳細はまだ明らかにされていないが、中国仕様では最高出力408ps、最大トルク69.3kg-mを発生し、0-100km/h加速を4.3秒で駆け抜ける。83kWhのバッテリーによる航続距離は約600km(中国CLTCサイクルでの値)とされる。また、二輪駆動で最大705kmの航続距離を持つモデルもある。

インテリアとしては、12.3インチのセンタータッチスクリーン、専用アプリによるリモートコントロール、フェイスIDによるロック解除、パノラマサンルーフ、アンビエントライトなどを備える。マッサージ機能やヒーター、ベンチレーション付きシートも後に用意されるようだ。

価格は今年後半に発表される見込みだが、オラは「テスラヒョンデキアのようなブランドに対して競争力を持つだろう」と述べている。

今年初めに開幕したパリ・モーターショー2023では、「ネクストキャット」という名で紹介された。現地でAUTOCARの取材に応じたオラの欧州担当責任者、フェイ・ヤオ氏は「ファンキーキャットは量販車であり、ネクストキャットはオラのブランドポジションとイメージを強力にアップグレードできるフラッグシップとなります」と語った。

ライトニングキャットに先んじて欧州に投じられたファンキーキャットは、48kWhのバッテリーを搭載して310kmの航続距離を実現し、価格は3万1995ポンド(約550万円)からとなっている。競合相手はフォルクスワーゲンID.3やMG4などだ。

ヤオ氏によると、2024年には新たに小型の電動SUVを導入する予定だという。オラは、欧州で1年に1車種を発表し、ラインナップを広げていく計画だ。

オラは長城グループの一員で、兄弟ブランドとして高級EVのウェイ(WEY)などがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事