車中泊を「カングー」で! 観音開きのキャンピングカー、「縁側」で星空を満喫できるぞ

公開 : 2023.05.03 22:15

YURTの部屋モード、走行モード

その甲斐あって、最大奥行き2500mm×最大幅1460mmという小さな部屋のような車内の広さを実現。

バックドアを閉じた状態でも、奥行き1800mmを確保している。

写真は後席を起こし、“縁側”を収納した「走行モード」のようす。収納は、床下(専用テーブルも収められる)、バックドアの小物入れ、タイヤハウスのすき間のボックスがある。
写真は後席を起こし、“縁側”を収納した「走行モード」のようす。収納は、床下(専用テーブルも収められる)、バックドアの小物入れ、タイヤハウスのすき間のボックスがある。    YURT

室内の板は2枚が取外し可能となっており、大人1人で簡単に「部屋モード」と「走行モード」に切り替えることができる。後部座席を戻せば5人乗りの乗用車になり、走行モード時も荷室にすべての床材を収納可能だ。

さらに、シートの真後ろにある10cm強のボードを折り返せば、部屋モードのまま走行することもでき、前席のシートを前に倒せば靴などを入れられる収納になる点もポイントだ。

床下収納は奥行きが70cmもあるため、さまざまなアイテムを収納可能。高さはユーザーの希望に合わせてセミオーダーすることができる。

そして、床下収納を引き伸ばし、その上に床材を置くことで“縁側”が登場。部屋を外まで拡張できるので、ここに座って夜空を眺めてみるといいだろう(外への拡張は2段階)。

室内の床下は、外に拡張する床板2枚が収納できるようになっており、その他にも長物の収納が可能だ。無垢材、オイル仕上げの方法、床下収納の高さを変更することで自分だけの空間に仕上がるので、夜な夜な頭の中でアレコレ考えてみることをオススメする。

納期・価格について

YURTカングーは、ボディカラーやグレードなど、ユーザーが希望する2代目カングーをベースに、セミオーダーで職人が1台ずつ丁寧に製作されるが、納車までの流れは下記のような感じとなる。

「デモカーの試乗・確認」→「ベース車の希望カラー・年式をヒアリング」→「希望に近いカングーの案内・概算見積り」→「木材サンプルを見ながら仕様を決定」→「最終的な見積り&スケジュール提出」→「契約後、製作をスタート」→「エンジン・足回り等の納車前整備」→「最終的な動作確認」を行い、納車となる。

「部屋モード」で前席背後のフロアボードを折り返せば、走行も可能。インテリアにトコトンこだわるなら、車内のフロアに設置する木材をヘリンボーン模様にするなど、「こうしたい!」と相談できる。
「部屋モード」で前席背後のフロアボードを折り返せば、走行も可能。インテリアにトコトンこだわるなら、車内のフロアに設置する木材をヘリンボーン模様にするなど、「こうしたい!」と相談できる。    高桑秀典

完成したYURTカングーは、静岡県焼津市にあるファクトリーでの引き渡しか、陸送で届けるそうで、納期は通常3~6か月だ。

走行距離が伸びている2代目カングーをベースとして価格を下げてもよし、良質車・ディーゼル仕様をベースとして最初から高価なYURTカングーを製作してもよしとなっており、予算に応じたクルマ選びを楽しむことができる。

車両の持ち込みもOKで、初代カングーや他のクルマでも製作可能とのことなので、相談してみるといいだろう。

日常使いもできる旅するクルマとしてリリースされている「YURTカングー」は、車中泊を楽しめる移動式の部屋であり、アウトドアにおけるベース基地にもなる頼れる相棒だ。

価格は390万円~で、中古車がベースとなる(価格は仕様・ベース車の値段によって変動)。2代目カングーのプロ謹製車中泊仕様はありそうでないので、YURTカングーは数多くのファンを獲得することになるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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