text & photo:Shunichi Uchida (内田俊一):photo:Chizuko Uchida (内田千鶴子)
1969年までに製造された車両に参加資格があるこのラリーイベントは、世界遺産に認定された富士山の周辺を、競技を行いながら2日間で約520キロを走り、3日目はその表彰式を行うものだ。
大会会長の平野喜正さんは、多くのクラシックカーイベントに出場している、いわば常連の一人だ。そんな彼が初めて主催する大きなクラシックカーイベントの特徴は、他のイベントで行っていないことをしようというものだ。その一つがスタンプ用紙にあった。
通常クラシックカーラリーの場合、所定のルート上にスタンプポイントを設置し、地元の人たちとの触れ合いの場を設けることが多い。そこでは、通過したことを証明するスタンプを所定の用紙に押してもらい、その用紙は最終的にオフィシャルが回収するため、エントラントはどのようなスタンプが押されたのか、また、どんな用紙だったのかを気にする人は少ないのが現状だ。
そこで平野さんは、自ら手造りでスタンプ文字を作成し、各スタンプポイント(今回は10か所)に設置。そのスタンプが押された用紙を、スタート写真と一緒に額装し、表彰式で全員にプレゼントしたのだ。そのスタンプの文字を集めると、“フジマウンテンラリー”になっており、素晴らしい思い出の品になっていた。
また、スタートは30秒間隔であることから、当然待ち時間が発生する。スタートの順番が来た時、誘導スタッフやスターティングフラッグを振る平野さんの第一声は、「お待たせしました」。このように、多くのイベントに出場した人だからこそわかる、細かい気配りに溢れた気持ちの良いイベントであった。
会場に集まった参加者達。これからドライバーズ・ミーティングが始まり、この日の諸注意等がある。
初日に少しだけ顔を出してくれた富士山とともに。クルマはオースチン・ヒーレー100-4 BN1。
眼下に山中湖を望む三国峠を駆け上がるのは、マトラ・ボネ・ジェット5。
計測に入ったマツダ・コスモ・スポーツ。ここから3つ連続で計測区間が続く。
フィアット508S・バリラのご夫婦。念入りに計測の打ち合わせをしている。
富士山の周辺はもうすすきが見ごろだ。その中を行くのはMG-PA。
西湖いやしの里根場の古民家の前を駆けるのは、ドライエ135C。
今回優勝したのはこのクルマ。アルファ・ロメオ・ジュリエッタSVZ。表彰台の真ん中は久々?
河口湖畔富士ビューホテルに到着したのは、ジャガーSS100。このあとはお楽しみのパーティだ。
着々と宿泊地の河口湖畔富士ビューホテルに到着する参加者たち。クルマはフィアット1100TV。
主催者の平野善正氏。クラシックカーラリー界ではベテラン中のベテランで、表彰台の真ん中の常連だ。
#1 1930年 アストン・マーチン・インターナショナル・シリーズ1
#2 1933年 フィアット508Sバリラ
#3 1035年 フィアット508Sバリラ
#5 1933年 MGマグナK
#6 1934年 MG-PA
#8 1936年 ジャガーSS100
#9 1937年 ドライエ135C
#10 1938年 シトロエン・トラクション・アヴァン
#11 1946年 MG-TC
#12 1947年 MG-TC
#13 1947年 スタンゲリーニS-1100
#14 1935年 ベントレー3.5リッター
#15 1951年 ジャウル・タラスキ750スポルト
#16 1953年 モラスティ・スポルト
#17 1952年 MG-TD
#18 1954年 オースチン・ヒーレー100-4 BN1
#19 1963年 ロータス・セブン Sr-2
#20 1955年 トライアンフTR3
#21 1956年 ポルシェ356Aスピードスター
#22 1957年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタSVZ
#24 1958年 メルセデス・ベンツ190SL
#25 1958年 ポルシェ356A
#27 1959年 ポルシェ356A
#28 1954年 フィアット1100TV
#29 1960年 オースチン・ヒーレー・スプライトMk-I
#30 1961年 ポルシェ356Bロードスター
#31 1964年 ホンダS500
#32 1967年 ホンダS800
#33 1965年 日産フェアレディ
#34 1965年 日産フェアレディ
#35 1965年 マトラ・ボネ・ジェット5
#36 1969年 マツダ・コスモ・スポーツ
#37 ACエース
#38 1969年 ポルシェ912