ケータハム初のEV、年内デビューへ 「軽さとシンプルさ」追求の新型スポーツカーの姿
公開 : 2023.05.05 06:05
チーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリー氏にインタビュー
――ケータハムのどこに惹かれたのですか?
「ドバイに引っ越して最初に買ったクルマがケータハムでした。ちょっと意外かもしれませんね。わたしは300万ユーロのスーパーカー(Wモーターズのライカン)のデザイナーでしたが、実は乗りたかったのは、とても軽量で基本に忠実な、このレトロなスポーツカーだったんです」
――ケータハムの全く新しいモデルを作るのは大変なことではありませんか?
「セブンのようなものを期待されるかもしれませんが、これは違います。セブンのデザインを変えろと言われても、何をどうすればいいのかわかりません。なぜなら、セブンの美点は形が機能に従う(Form follows function)ということですから、何を追加したり修正したりしても無意味なのです。だから、あまり分析しようとすると難しいんです」
「(新型車は)得られる体験やデザインコンセプトの全体的なアプローチには共通点があるはずですが、セブンに近いものにはなり得ません。それが、ある人たちにとっては、もしかしたら受け入れがたいことなのかもしれません」
――電動化はデザインにどのような影響を与えるのでしょうか?
「電動化の良さは、あらゆる場所にスペースがあることです。スポーツカーにとって唯一の問題は、バッテリーパックが車体下部にあることで、車高が高くなりすぎないような工夫が必要です。しかし、それをクリアすれば、あとは自由です。4本の車輪を置き、人をクルマの骨格にできるだけ近づけるようにします」
「EVのプラットフォームは、とてもスリムでシンプルです。わたしにとっては、ケータハムのDNAである『シンプルさ』を適用する絶好の機会なのです」
画像 形態が機能に従う。軽量シンプルスポーツカー【ケータハム・セブン170Rや2000、420カップなどを写真で見る】 全79枚