園児送迎バスの「置き去り防止」最前線 義務化で動くメーカー 今までと「異なるプレッシャー」が開発陣を動かす

公開 : 2023.05.05 21:25  更新 : 2023.11.24 14:10

万が一、見落とした場合でも…

そして15分後には自動検知機能が作動し、画像認識機能を持つカメラや子どもの泣き声に反応するマイクが人の存在を検知。

万一、見回り時に見落としてしまった子どもがいても、車外に警報を発したりスマホ向けのSMS通知が自動的に行われる。

(パイオニア提供の開発テスト写真)車内向きカメラの画像認識機能は車内に取り残された子どもの姿を捉える。歩き回っていても、車両後方の座席にいても、倒れていても人の検知が可能だ。子供の泣き声にも反応する。
パイオニア提供の開発テスト写真)車内向きカメラの画像認識機能は車内に取り残された子どもの姿を捉える。歩き回っていても、車両後方の座席にいても、倒れていても人の検知が可能だ。子供の泣き声にも反応する。    パイオニア

また、車両バッテリーで動作するためバッテリーの電圧低下を事前に知らせ、本体が故障した際にはLEDランプと音声で伝えるなど信頼性も確保されている。

そして、専用スマホアプリ「みまもりNP1」によって各種の設定操作が簡単に行える。市販のNP1同様、通信による自動アップデートも可能だ。

開発は昨年12月のガイドライン発表後に始まり、異例の急ピッチだったという。

そのうえ、乗用車とは異なるバスという広い空間に設置すること、人命に関わる装置ということなどで開発陣にはこれまでと異なる強いプレッシャーがかかった。

NP1車内置き去り防止安全装置は、これまでに起きたいたましい事故を防ぐ効果が大いに期待できる。未来のある大切な命を守るために活躍してくれるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事